路線バスで巡る「レトロな横浜」のんびり日帰り旅 バラ園に氷川丸見学、意外と知らない街の一面

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バス停後方すぐのところにある「重慶飯店本館」で早めの昼食をとる。平日限定で8種類用意された週替わりランチから「豚肉の角煮」を選び、オプションの「ミニ麻婆豆腐」もつけてもらう。「みなとぶらりチケット」の提携施設の一つで、提示すると食事代が1割引になるが、ランチメニューは対象外である。超高級店から庶民的な店までが軒を連ねる中華街だが、ビジネスマンの姿も見られる「重慶飯店本館」は、手軽に本格中華が楽しめる店の1軒と言えよう。

重慶飯店本店のランチ

港の見える丘いっぱいに広がるバラの香り

中華街大通りの活気を少し楽しんだあと、中華街バス停から12時29分のバスに乗車。元町入口から谷戸坂を上りきった港の見える丘公園前で降りる。

1859年の開港以来、外国人居留地だったというこの高台。戦後、接収が解除されると、公園用地として整備され、1962年に「港の見える丘公園」が開園した。その名のとおり、展望スペースからは横浜港が一望でき、純白の主塔の横浜ベイブリッジが美しい。

景観もさることながら、園内いっぱいの甘い香りに魅せられる。ちょうど春バラの季節なのだ。バラが横浜市の花となってから2年後の1991年、およそ110種、1300株が花を咲かせるバラ園が完成。2016年に「イングリッシュローズの庭」としてリニューアルされたそうだ。園内には色鉛筆画を描いているご婦人の姿もあり、この季節はシニアのカルチャースポットとしても人気のようだ。

公園内では「横浜市イギリス館」も公開されていた。1937年に英国総領事公邸として建てられたもので、その大きさと贅沢な建築素材に、当時のイギリス王室の威厳が感じられた。2階の展示室の窓から公園を見下ろすと、咲き乱れるバラが実に彩り豊かである。イギリス館の隣の噴水広場は、ここで折り返す「あかいくつ」の転向場所になっている。ヨーロッパ調の噴水とレトロなバスが、とてもよく似合っていた。

イングリッシュローズの庭
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