エコノミストもお手上げ、予測不能の米雇用統計

未経験の変数が多すぎ予測に余りに大きな違い

4 月の米雇用統計の予想を大きく下回る結果に不意打ちを受けたエコノミストらは、今回はどんなサプライズに対しても覚悟ができている。

ブルームバーグの調査によると、5 月の米雇用者数増加幅の予想レンジは33万5000人から100万人と広い。全ての市場予想を下回った前回の結果を受け、4日の統計発表に先立ち、予測モデルを微調整したエコノミストもいる。

ジェフリーズの米金融チーフエコノミスト、アネタ・マルコウスカ氏は「ゼロという予想をはじき出すモデルもあれば、100万人という予想を出すモデルもある」と指摘。「これが今われわれが生きている世界だ。正直、何でもありだ」と述べた。

景気回復がまだら模様であることを踏まえると、専門家が困惑しているのも無理はない。気温上昇に加え、新型コロナウイルスのワクチン接種を終えて旅行や社交活動の再開に熱心な成人の増加、制限措置の緩和などが、ホスピタリティー業界の人員採用に追い風となることが示唆されている。その上、学校が再開され、オフィスに復帰する人も増えている。

その一方で、企業は引き続き十分な労働者を確保できずにいる。健康上の懸念や育児の必要性、失業保険給付の増額などが応募を思いとどまらせている可能性がある。また、サプライチェーンのボトルネック継続や世界的な半導体不足が製造業の足かせとなっている。

こうした状況を踏まえると、予測は一段と困難になる。4 月の非農業部門雇用者数は前月比26万6000人増だったが、市場予想は100万人増。1996年までさかのぼる統計で最も大きく予想を下回った。ブルームバーグ調査によると、5月の雇用者数の予想中央値は66万1000人増。

原題:Economists Brace for Another Volatile Monthly U.S. Jobs Report(抜粋)

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著者:Olivia Rockeman

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