今こそ再認識すべき「ワクチン望まぬ人」への配慮

接種は法律で義務づけられているわけではない

ワクチン接種を受けない自由もあります(写真:ブルームバーグ)

新型コロナウイルス感染拡大を防ぐために、ワクチン接種をいかに拡大するかが目下の課題となっている。現在、多くの人々がワクチン接種を希望しており、政府もワクチンの確保、接種に向けた計画を立てており、より多くの人にワクチン接種の機会が訪れると予想される。

一方で、無視してはならないことがある。報道などでもワクチン接種が当然の前提で話が進んでいるが、国民の中にはワクチン接種を希望しない人もいるという点だ。

今後、職場や学校、施設などでの集団的なワクチン接種機会が増大する中、さまざまな事情によりワクチン接種を希望しない人に対して、非難をしたり、差別的な取り扱いなどの不利益が生じたりすることも考えられる。法的な観点からこの問題を検討してみたい。

予防接種法上は「努力義務」、接種しない自由もある

前提として、予防接種法上、新型コロナウイルスワクチンの接種は「努力義務」とされている。つまり接種が法律によって義務づけられているわけではなく、ワクチン接種を受けない自由は当然ある。

厚生労働省もホームページにおいて、以下のように説明している。

「新型コロナワクチンの接種は、国民の皆さまに受けていただくようお勧めしていますが、接種を受けることは強制ではありません。しっかり情報提供を行ったうえで、接種を受ける方の同意がある場合に限り接種が行われます。

予防接種を受ける方には、予防接種による感染症予防の効果と副反応のリスクの双方について理解した上で、自らの意志で接種を受けていただいています。受ける方の同意なく、接種が行われることはありません。

職場や周りの方などに接種を強制したり、接種を受けていない人に差別的な扱いをすることのないようお願いいたします」

次ページ予防接種法改正時の国会の付帯決議にも記述
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