今こそ再認識すべき「ワクチン望まぬ人」への配慮

接種は法律で義務づけられているわけではない

では、飲食店やイベント会場などにおいて「ワクチン接種をしていない人の入店、入場を認めない」などといった対応を店側、主催者側が行った場合はどうなのか。

ワクチン接種の有用性は認められる一方、副反応などのリスクがあるために受けない人がいることなどを鑑みれば、接種者のみ入店・入場を認め、非接種者を拒絶する対応は、ワクチン非接種を理由とする差別的な取り扱いとして違法と評価され、損害賠償責任が生じる可能性がありうる。

日本弁護士連合会も、今年2月に発表した「新型コロナウイルスワクチン接種に関する提言書」の中で、国に対し「ワクチン接種はあくまで個人の選択により行われるべきものであることの理解を広げるとともに、本件ワクチン接種に関する偏見差別防止やプライバシー保護を行うための、有効な施策を講じること」を求めている。

ワクチン接種は自分自身の判断で決めるべき

誤解のないようにあらためて述べておくが、筆者は新型コロナウイルスワクチンが有効でないとか、危険であるとか、予防接種を受けるべきではないなどと主張しているわけではない。

感染拡大防止、収束のためには予防接種が有効であり、政府の施策として、ワクチンを必要量確保し、速やかに多くの人々に接種の機会を与えることが急務なのも理解している。

しかし、ワクチンの予防接種を受けるかどうかは、ワクチンに関する正確な情報を与えられたうえで自分自身の判断で決めるべきだ。ワクチン接種を受けないことを理由に差別したり、不利益な取り扱いをしたりするのは許されない。

では、差別や不利益な扱いを受けた場合にはどうすればよいのか。

労働者が会社からワクチン接種を受けないことを理由に不当な取り扱いをされた場合、労働組合や労働問題に詳しい弁護士に相談してほしい。

老人ホームなどの施設や学校での差別的な取り扱いの場合は、弁護士に相談をするほか、その施設を監督している県や市などの行政機関の担当部署に連絡、相談すれば対応してもらえる場合もある。

また、新型コロナウイルスワクチンに関しては、厚生労働省が特設サイトを設けて詳細な情報提供を行っているので、そちらも参照のうえ、相談することをおすすめする。

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