Omiaiの「個人情報流出」が深刻化した根本原因 安心安全で差別化していたはずが本末転倒に
171万1756件――。
東証一部上場のネット広告代理企業・ネットマーケティングが運営するマッチングアプリ「Omiai(オミアイ)」で、不正アクセスによる個人情報流出が発覚した。
冒頭の数字は、今回流出した可能性がある個人情報の件数。その中身は、同サービスの会員が年齢確認審査時に提出したマイナンバーカードや運転免許証、健康保険証、パスポートなどの画像データだ。流出した可能性のあるデータのうち、6割が運転免許証だったという。
ID・パスワードの流出より深刻な事態になる可能性
オミアイは国内屈指の規模を誇るマッチングアプリ。サービス開始は2012年で、業界の中でも古参だ。
アプリ上で気になる相手を探し「いいね」を送信、お互いに気に入りマッチングすればメッセージ交換が可能になる。基本的に女性は無料だが、男性はメッセージ交換などを行うために月額3980円の有料会員になる必要がある。これがオミアイの収益源だ。
オミアイは約570万人の会員を抱える(累計、2020年7月時点)。今回はその約3割に上る数の個人情報が対象となっており、規模は小さくない。なおネットマーティングによると、今回流出した個人情報で不正流用が確認された事例は、現時点ではないという。
不正アクセスによる情報流出にもさまざまなパターンがある。よくあるのは、サービスのログインに必要なID(メールアドレス等)やパスワードの窃取。これも大問題ではあるが、パスワード変更などで不正ログインに対処することが可能だ。
ただ、今回はマイナンバーカードや運転免許証の画像が盗まれたため、氏名や住所、生年月日、顔写真などがセットで確認できてしまう。これら書類のコピーがあれば口座・アカウント開設の本人確認を行える金融サービスなどもあり、ID・パスワードの流出より大きな被害が出る可能性もある。
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