仏司法当局もゴーン被告への事情聴取開始へ 仏当局の関心はオマーンルートや蘭統括会社

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保釈中だった2019年末にレバノンに不正出国した日産自動車の元会長、カルロス・ゴーン被告に対し、逃亡先のレバノンの首都ベイルート入りしたフランスの司法当局が、31日から事情聴取を開始する。

仏ルノー会長も務めたゴーン被告とオマーンの自動車販売業者との交流や、私的なものだった可能性のあるイベントと旅行への支出、日産自とルノー、三菱自動車の3社連合のオランダ統括会社「ルノー日産BV(RNBV)」からコンサルタントに流れた支払いなどが焦点という。

オマーンの販売代理店への多額の支払いの一部が、親族のヨットの費用やゴーン被告の息子、アンソニー氏のスタートアップ企業の資金に使われたのではないかといった多くの疑惑が、ルノーから仏検察当局に提供された情報が端緒となり浮上した。被告は一連の疑惑を否定している。

ゴーン被告はなぜフランスでの取り調べに応じないのか

ゴーン被告は、妻の50歳の誕生日を祝うためにホールを無料で使用するベルサイユ宮殿からの提案を受け入れたことについて、「誤り」だったかもしれないと昨年のテレビインタビューで釈明していた。

フランス政府は自国民の引き渡しを通常行わないが、ゴーン被告が乗る航空機が日本政府と犯罪人引き渡し条約を締結する第三国に途中で飛行ルートを変更する危険もあり、そうした悪夢のシナリオを恐れて、フランスでの取り調べに応じないと考えられる。

 

カルロス・ゴーン被告

 

原題:Ghosn’s French Accusers Set to Interrogate Fugitive in Beirut(抜粋)

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著者:Gaspard Sebag、Youssef Diab

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