不満や苦情解消、鉄道会社のSNS「ウマい使い方」 迅速な情報提供が命、工夫次第で効果は絶大

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特にJR東日本のツイッターアカウント「JR東日本【東北エリア】運行情報 (公式) @JRE_Tohoku_A」と「JR東日本【信越エリア】運行情報 (公式) @JRE_Shinetsu_A」は、写真を伴うツイートを投稿し、駅構内の積雪、除雪の現実を伝えた。JR東日本の運行情報アカウントは、ふだん文字情報やプレスリリースへのリンクとなっていて、写真投稿は極めてめずらしい。

振り返れば2018年1月11日、JR東日本の信越本線で列車が豪雪に遭い立ち往生し、約430人の乗客が最大15時間半にわたって車内に閉じ込められた。「クルマを動かせない中で、なんとしてでも目的地に行きたい乗客」「その期待に応えたい鉄道職員」「想像を超える積雪量」が重なった惨事だった。

JR東日本の運行情報ツイッターアカウントの開設は同年12月からだ。立ち往生の11カ月もあとになるけれど、次の大雪に間に合わせたい、というタイミングだ。さっそく実施された写真付き投稿に対して「想像以上の雪」「これで列車が動かないと納得した」というリプライ、リツイートが拡散された。これは「鉄道はすぐ復旧するだろう」と期待して外出する人を押しとどめる効果があったと思われる。

相手に期待しても、相手の気持ちや行動がわからなければ、その期待はいらだちに変わる。「リアルタイムで現状を伝え、できることとできないことを明確に見せる」という意味で、ツイッターはよいツールだ。

JR以外の鉄道事業者では福井県のえちぜん鉄道、福井鉄道が公式ツイッターによる情報発信を積極的に行った。新潟県のえちごトキめき鉄道は社長自身が個人アカウントのブログなどで発信した。この3社以外は、公式サイトに運行情報を掲載する程度でSNSは使わなかった。

SNSの発信についてえちぜん鉄道専務の伊東尋志氏、社長自らの発信についてえちごトキめき鉄道社長の鳥塚亮氏に聞いた。

きっかけは「不安解消」

えちぜん鉄道がツイッターを活用した理由は、地域の人々の「運行情報がわからない」という不安を解消したいからだ。除雪は自治体が幹線道路から着手していく。自宅前の道路の除雪は進まない。クルマが使えないとなれば、鉄道に期待する。

「当社が被災時に写真情報も含めて、できるだけ多くの情報をホームページやSNSを使って公開する理由は、当社を利用している人や地元の方に実情や作業進捗もお知らせして、不安を解消してほしいからです。会社からの情報発信は徹底して地元重視で取り組んでいます。パークアンドライド駐車場の除雪状況まで知らせています」(伊東氏)

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