不満や苦情解消、鉄道会社のSNS「ウマい使い方」 迅速な情報提供が命、工夫次第で効果は絶大
「JR東日本、JR西日本、当社の現場は以心伝心の関係です。当社の運輸部の課長級以上がみなJR西日本またはJR東日本の出向者や出身者だからです。私も新潟支社長、金沢支社長、貨物の金沢支店長とは連絡を取り合っています。JR東日本新潟支社とは直接乗り入れしていますので、指令所同士も互いの状況を知っています」
互いに知っている間からだからこそ、鳥塚氏の発信も察知していただろう。そして鳥塚氏の発信は政府中央に届く。受験生を安全に試験会場へ送り届けた当日、赤羽国土交通大臣が直江津駅を視察している。そのきっかけは鳥塚氏のブログだったという。鳥塚氏は国交省北陸信越運輸局の支援に謝意を述べると同時に鉄道に対する今後の国の支援の在り方について要望を伝えた。
「鉄道会社のホームページは基本的には堅苦しいものであるべきです。しかし、それだけだとファンになっていただけないのでブログの意味があります。鉄道会社の社長が生情報を発信するということは、ローカル鉄道には必要だと考えてやっております」(鳥塚氏)
SNSによる情報発信は「今どきのスタイル」
もしかしたら、自治体も社内幹部も「内部事情をあからさまに……」と苦々しく思っているかもしれない。しかし、直接的に苦言を呈すれば、それもまた書かれてしまうと思うと歯がゆいだろう。
「県も会社の上層部もいろいろ面白くないことはあると思いますが、今どきのスタイルですし、ブログをやっている人間を採用したわけですから」(鳥塚氏)
鉄道事業者のSNS運用は災害時など緊急事態で真価を発揮する。豆知識や観光情報でファンを増やしていくことも、その下地作りといえそうだ。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら