新幹線運転士が大歓迎、JR西「サングラス」の効果 在来線に続き全エリアで導入、他社に広がるか

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山陽新幹線には大阪、広島、博多に乗務員区所があるが、乗務する区間は新大阪―博多間、博多南線で共通している。大阪新幹線運転所で約200人の運転士を束ねる金本尚志所長は「以前からまぶしさで疲労を感じたり、視認性が悪かったり、という声が運転士から上がっていたのでサングラスの評判はすこぶるいい。大絶賛という言葉を使っていいくらいだ」と歓迎する。着脱のしやすさも好評で、ほぼすべての運転士が貸与を希望したようだ。

停止位置目標が見やすく

新幹線の運転士にとってサングラスがとくに役に立つのは駅で列車を停止させるときだ。新幹線は車内信号方式で、在来線のように前方の信号機を見るわけではないが、駅到着時のブレーキ操作は手動でするため、ホームにある停止位置目標を確認する際に逆光だと見づらくなっていた。

新幹線の停車時には窓枠部分の印を停止位置目標に合わせる(写真:JR西日本)

新幹線運輸部乗務員課の山崎幹人課長は「福知山線の列車事故以降、現場社員の声がたくさん上がってくるようになり、我々もスピーディーに対応したいと考えた。サングラス導入の目的は安全性向上と疲労軽減だが、運転士のストレスを減らして運転に集中できるようにしたいと検討していた」ときっかけを語る。

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