1年遅れ、北陸新幹線「敦賀延伸工事」最後の難局

2024年春開業となった敦賀駅周辺を現地ルポ

地上23mが軌道面となる敦賀駅。在来線と木の芽川に挟まれた厳しい立地環境の下で急ピッチの工事が続く。立ち位置は米原方で2面4線のホームを外れた付近(写真:久保田 敦)
鉄道ジャーナル社の協力を得て、『鉄道ジャーナル』2021年6月号「一年遅れの波紋」を再構成した記事を掲載します。

2015年3月に長野―金沢間が開業して名と体がそろった北陸新幹線は、現在、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構:JRTT)を建設主体として金沢―敦賀間の延伸工事が進められている。

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金沢以西の建設に向けた動きは、長野冬季五輪開催に照準を合わせて開業する高崎―長野間の建設も終盤となった1996年3月に、小松―南越間工事実施計画の認可申請(根本の整備計画は1973年に東京都・大阪市間として決定され金沢―小松間の工事実施計画認可申請は1985年に高崎―小松間一括で行われた)により始動した。

2005年12月に南越―敦賀間の認可申請も行われたが、いずれも具体化には時間を要し、東北新幹線八戸―新青森間や九州新幹線博多―新八代間が開業を迎えた後、金沢―敦賀間が足並みをそろえて2012年6月に認可、事業着手へと進んだ。北海道新幹線新函館北斗―札幌間や九州新幹線西九州ルートも同時の認可、着手であった。

2020年秋に工事の遅れが報告され騒然

敦賀延伸は認可当初、「金沢開業からおおむね10年後」の開業、すなわち2025年度が目標とされた。しかし早期開業を望む声が大きく、2015年1月に政府・与党間で3年の前倒しを目指すことが合意され、2022年度末目標に改められている。本来は今から2年後、2023年春の予定であった。

ところが昨2020年11月になって、JRTTが1年半程度の工事の遅延と2880億円の工事費膨張の見通しを与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(与党PT)に明らかにしたため、騒然となった。初めての異常事態に国土交通省は検証や対策を検討する委員会を立ち上げ、12月10日には中間報告書が公表された。結果、工期延長は1年に短縮、事業費の増額は2658億円に抑える計画となった。年度末の3月31日には国土交通省が、開業予定時期を2023年度末とすることと、事業費を約1兆6779億円とする金沢ー敦賀間の工事実施計画変更を認可したと発表した。

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