中国国有の「華融資産管理」の信用不安地方に伝播 政府は国有企業だからといって自動的救済せず
信用不安が広がっている中国国有の不良債権処理会社、中国華融資産管理の支援に関して中央政府が沈黙を続ける中で、省レベルの国有企業への支援水準にも懸念が強まっている。
内陸部に位置し、農業を主力産業とする河南省と、石炭の主要生産地である山西省の政府は投資家の信頼向上に向けた取り組みを進めているにもかかわらず、両省に拠点を置く国有企業は債券発行がしにくくなっている。
ブルームバーグの集計データによると、河南省の国有企業(金融を除く)による債券発行は前年比で67%減少。山西省では発行が75%減となっている。
習近平国家主席が国内金融市場のモラルハザード(倫理観の欠如)是正を目指す中で、中国当局は経営状態が悪い国有企業や地方政府の資金調達事業体を自動的に救済することはないという明確なシグナルを送りつつある。
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この戦略は投資家の目利き力を高め、肥大化した国有セクターの財務規律を向上させるが、発展が遅れている省を拠点とする企業の資金調達や債務返済能力には制約がかかり、不利に働く恐れがある。
S&Pグローバル・レーティングの李暢アナリストは、「競争が激しい業種の国有企業を巡る投資家の信頼は低下しつつあり、地方政府の単なる支援約束をうのみにしてはいない」と指摘。「地方政府が採用した対策で各社の財務が本当に改善するのかが鍵だ」と話す。
ムーディーズ・インベスターズ・サービスのアナリストらは今週のリポートで、ここ1年半にわたる政府の政策は「一部の国有企業がデフォルト(債務不履行)、あるいは債務再編を通じて債権者に損失を負わせることを容認する公算がますます大きくなっていることを示唆している」と分析。
「国有企業による最近のデフォルトは、金融を除く企業向け資金調達市場への波及的影響の可能性に関して中国政府の懸念が小さくなっていることを示している」とも同アナリストらは指摘した。
原題:Huarong Fallout Makes Provincial State Firms Even Less Popular(抜粋)
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著者:Bloomberg News
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