ターニングポイントは高3で参加したリーダー養成塾
加藤:高校のときに著書を読んで考え方に共感した大前研一さんが主催する「一新塾」に、高校3年で参加したときの経験も大きいです。大前さんをはじめ、Jリーグ初代チェアマンの川淵三郎さん、起業家、NPO代表、政治家、冒険家など、いろんな人の話を聞く機会があったのです。
そこで私がいちばん強く感じたのは、「彼らは自分でレールを敷いてきた人たちなんだなぁ」ということでした。
一方、僕の中学、高校時代は鬱屈した思いがずっとありました。いい学校→いい大学→一流大企業、と敷かれたレールがあって、それにどうしても納得できなかった。「ただレールの上を歩いていく人生もあるけれど、自分はレールを敷いていく人生を歩みたいんだ」と気づいたのが、高3のときだったのです。
安河内:それで大学時代には学外での活動に重きを置いたのですね?
加藤:はい。一新塾で講師として話をしてくれた人たちには、必ず、なぜその道に入ったのか?を質問していたのですが、政治家、冒険家、NPO代表とどんなことをやっている人でも、「大学時代の原体験がきっかけで」というのが、ほぼ共通した答えだったのです。
たとえば冒険家なら極地に行って神秘的な体験をした、政治家ならエジプトで政治の動乱を目の当たりにして突き動かされた、などの答えをいただきました。それで僕も大学時代にそういった経験をしたいと思っていて、でも、どうやら大学内ではなく、外に目を向けないといけないようだと……。
休学してベンチャー企業へ。1000万円の儲けを出すも!?
加藤:ちょうど当時はインターネットバブルの頃でしたから、大学1年の終わりに休学して、19歳のときに立ち上がったばかりのベンチャー企業に参入して、約1年半、フルタイムで働きました。
最終的にその会社は潰れてしまったんですけれど、新規事業を任せてもらったりして、何もなかったものをゼロから生み出す喜び、仲間と作り上げていく楽しさ、出来上がったものを喜んで使ってくれる人たちを見たときの達成感、といったものを味わうことができました。
大学に戻ってからも、ベンチャーで仕事をしていた頃の充実感は忘れられなくて、将来、自分で会社を起こそうという気持ちはさらに強くなりました。
ただ19、20歳でベンチャーで働いたときは、同時に自分の実力のなさも痛感しました。マネジメントはうまくできないし、物事を数字で予測することもできない。ひとりで事業を回している分にはうまくできて、半年で粗利1000万円ほど出すことはできたのですが、スキル不足により、それを1億円、10億円にはできなかった。
だから大学に戻って、勉強をまたやろうと考えました。自分に足りないところ、つまり勉強の目的は明確だったので、商学部のゼミに入って税務会計などを学びました。
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