「客単価」を強引に上げるのが自殺行為と言える訳 次から次へとサービスを勧めてくる店の盲点

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このとき、まず頭に思い浮かぶのは、「過去の体験」です。自分が過去に、5000円程度の予算で、自社の付近で行ったお店のなかでも、「いい記憶」のあるお店を思い浮かべます。最初に思い浮かんだお店を選ぶ可能性が最も高く、もしそのお店を選ばない場合は、次に思い浮かんだお店を選ぶ可能性が高くなります。

自分で思い浮かぶお店から選ばない場合、次にとる行動は、信頼できる人から情報を得ることです。「そういえば、スタッフのAさんはグルメ通で有名だったな。彼女にお店を聞くのがいいな!」という具合に情報を収集します。

『できる店長は、「これ」しかやらない』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトへジャンプします)

しかし、残念ながら予算などの関係で彼女が推薦するお店を選べなかったら、その次は外部情報に手を伸ばします。ネットや情報誌などの情報です。そのなかから、ユーザーの評価が高いお店を選ぶことになるでしょう。

このような流れで会食のお店を決めるわけですが、過去の体験で「悪い記憶」のあるお店を選ぶことはあるでしょうか? 最初の段階で、確実に除外しますよね。そのお店には、上司やお取引先の方は行ったことがないかもしれません。しかし、あなたの過去の体験によって、上司やお取引先様がそのお店に行く機会はなくなります。

もし、会食の席で「悪い記憶」のお店について話すことがあれば、それが悪い口コミになって、その場にいた人はそのお店を利用しようという気がなくなります。

「いい記憶」に残る接客応対をする

次のポイントは「⑤購買後の行動」です。この段階で「いい記憶」に残れるかどうかで、次の機会の「②情報検索」で上位になれるかどうかが決まります。

「いい記憶」に残るかどうかは、①商品の品揃え・品質と価格のバランス、②店舗環境(雰囲気・什器や設備・音・匂い・清潔感・室温・感染予防など)、③接客応対(出迎えから会計、見送りまで)などで決まります。

特に記憶に強く残るのは接客応対です。接客応対でお客様を不快にさせてしまうと「悪い記憶」になり、「除外キーワード認定」されてしまいます。1度そうなると、もうご利用していただくチャンスは皆無です。そうならないために、まずはお客様を不快な気持ちにさせないことが大切です。

鳥越 恒一 DIC幹部育成コンサルティング代表

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とりごえこういち / Koichi Torigoe

1973年生まれ。金融業、飲食業を経て2003年、株式会社ディー・アイ・コンサルタンツ入社後、人財開発研究部の担当役員として部門を統括。2012年にDIC幹部育成コンサルティング株式会社を設立し、社長に就任。上場企業からスタートアップ企業まで、飲食・小売・サービス業の人財育成に精通したコンサルティングに従事

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