路線バス、コロナ以上に深刻「人手不足」の処方箋 「みちのり」CEOが語る、苦境を乗り越える戦略
沿線人口の減少などで、ただでさえ経営の厳しさが指摘されてきた地方交通が、コロナ禍によりさらなる苦境に立たされている。そのような状況下にあって、「従来型の投資は控えつつも、ポストコロナを見据え、デジタル分野への投資は予定通り進めていく」と話すのは、北関東・東北エリアを中心にバス事業などを展開する、みちのりグループの松本順CEOだ。
ポストコロナ期において、地方交通の姿はどのように変わるのか、また、みちのりグループが今後どのような事業展開を図っていくのかについて、松本氏に聞いた。
デジタル投資は「コロナ後」見据え
――コロナ禍により旅行・交通事業者が甚大な影響を受ける中、みちのりグループは、とくにDX(デジタルトランスフォーメーション=デジタル技術を用いたビジネスモデルの変革)対応の実証実験や投資を積極的に進めている印象があります。
いつもよりも投資を増やしているわけではありません。むしろ、コロナ下においては何かをジタバタとやっても効果が薄いのがわかっているので、投資を控えることで資金的負担を減らし、雇用調整助成金を活用して陣容を維持するというのが基本的なスタンスです。しかしながら、ポストコロナに向けての回復期において業績回復を早められるよう、お客様に「バスや電車は便利だ」と感じていただき、需要創出に結びつけられるようなデジタル投資は、計画通りに進めていくというポリシーをグループ全体で明確にしています。
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