中国IT大手の「EV侵攻」恐るべき規模とスピード

ファーウェイ、バイドゥだけで既に2兆円投資

中国のテクノロジー大手各社が自動車事業に乗り出している。華為技術(ファーウェイ)や百度(バイドゥ)などが電気自動車(EV)と自動運転車のベンチャー事業に計190億ドル(約2兆700億円)近くを投じた。

米国のハイテク勢もアップルの「アップルカー」構想が以前から取り沙汰され、グーグルの親会社アルファベットは自動運転車部門ウェイモを持つが、中国企業の動きはその規模とスピードにおいて顕著だ。自動車の重心が内燃エンジンからセンサー・基本ソフト(OS)にシフトするほど、自動車のコンピューター化が進み、自動車産業もまたテクノロジー業界と変わらなくなりつつある。 

上海国際モーターショー(4月27日)写真家:Qilai Shen / Bloomberg

主戦場の1つが世界最大の新エネルギー車(NEV)市場である中国だ。伝統あるドイツのフォルクスワーゲン(VW)や米ゼネラル・モーターズ(GM)が蔚来汽車(NIO)や小鵬汽車など中国のスタートアップ企業と競う。ここ3カ月間で、スマートフォンメーカーの小米や検索エンジンの百度、アップルから生産を受託している台湾の鴻海精密工業(フォックスコン)も、提携や独自の自動車製造計画を公表した。

先月の上海国際モーターショーは、自動車業界に起きている最もホットなトレンドを如実に示す世界トップクラスのイベントとなった。ファーウェイと百度のパビリオンを見るために来場者は何時間も列に並んだ。人々は展示物に群がり、センサーシステムやハイテクダッシュボード、モデルカーの写真を撮りまくった。ただ中国でのNEV時代の幕開けは熾烈(しれつ)な競争を意味し、テクノロジー大手には克服すべき多くの課題がある。

コンサルティング会社アリックスパートナーズのマネジングディレクター、スティーブン・ダイヤー氏は「ハイテク企業の賭けには信条的な要素が強い」と指摘。元フォード幹部の同氏は「今存在しない何か新しいものを生み出すという信念に基づく要因が働いている」と話す。

こうした競争の最前線に立つのが、米国の制裁対象となっている通信機器メーカーのファーウェイだ。同社は最近、10億ドルをEVと独自の自動運転テクノロジーに投じる計画を発表。一部の面でEVのパイオニア、米テスラをすでに超えていると主張している。 

アークフォックスαS写真家:Qilai Shen / Bloomberg

ファーウェイは北汽藍谷新能源科技と共に開発した初の自動車を披露。中型セダン「アークフォックスαS」はインテリジェント自動車ソフトウエアパッケージ「ファーウェイ・インサイド(HI)」を採用し、人の介入なしで市街地なら1000キロメートル余りの自動運転が可能だとしている。今年10-12月期に引き渡しを始める予定だ。

中国恒大新能源汽車集団の展示(上海国際モーターショー、4月19日)写真家:Qilai Shen / Bloomberg

EVスタートアップの中国恒大新能源汽車集団(エバーグランデNEV)も大きなスペースを確保し、9種類のモデルカーを展示したが、同社はまだ自社ブランドのEV発売はしていない。

原題:China Tech Giants Bet $19 Billion on Global Electric Car Frenzy(抜粋)

著者:Bloomberg News

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