所沢やTX沿線、「住みたい街」上位の陰で大躍進 コロナも影響?2016~2021年でどう変わったか
2位は所沢。2016年の94位から2021年は44位へと順位を50位上げた。所沢は西武池袋線と西武新宿線が交差する駅で、交通利便性は高い。最寄り駅こそ違うが所沢市内には西武ライオンズの本拠地・メットライフドームがあるほか、西武園ゆうえんちもリニューアルオープンする。「ダサイタマ」などと揶揄されることもあるが、エンタメ関連は充実しているのだ。所沢駅西口にあった西武鉄道車両工場跡地とその周辺の再開発も予定されており、大型の商業施設やタワーマンションが建設される。今後5年でさらに順位を上げるのは確実だ。
3位はJR京葉線の新浦安と東京メトロ東西線の浦安が同列で並んだ。新浦安は90位から46位、浦安は85位から41位へと順位を上げた。どちらも浦安市内の住環境の充実ぶりと東京ディズニーランドへの近さが評価されたのだろう。5位の柏も同じく千葉県内の駅である。
6位、7位、8位は流山おおたかの森、つくば、研究学園と、つくばエクスプレス(TX)の駅が3つ続いた。TXは2005年開業の比較的新しい路線である。周囲には自然が多く残るが、沿線開発の進展に合わせ、生活インフラも充実しつつある。8位には研究学園に加え、JR東海道線の辻堂も同列で並んでいる。
10位はみなとみらい線のみなとみらい駅。2016年の61位から2021年は31位へと順位を30位上げた。みなとみらい線も2004年の開業で、比較的歴史の浅い沿線だ。利用者数がじわじわと増えていることが人気の高まりを裏付けている。
千葉・埼玉・茨城が急伸
このように見ると、過去5年で順位を大きく上げた駅は千葉、埼玉、茨城といった駅が多いことがわかる。2021年のランキング上位駅を見ても、4位の大宮は2016年には21位、8位の浦和は同じく32位だった。
このように長い目で見れば、住みたい街の顔ぶれは変わる。2016年に住みたい駅の4位だった武蔵小杉は、その高い人気に生活インフラの整備が追いつかず2021年には14位に後退した。また、高度成長期には多くの人が移り住んだが、高齢化で現在は活気が失われてしまったというエリアはいくつもある。
将来誰もが住みたいと思う街は、現在のランキング上位の街とはまったく違っている可能性もあるのだ。
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