なぜ、完全自動運転はすぐ実用化できないのか コンチネンタルのレベル4公道実証で得た核心
―これなら、すぐにでも実用化できそうだ―
国が主導するSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)の成果報告として行われた、東京臨海地域での公道試乗会の中で、自動車部品大手のドイツ・コンチネンタルが開発中のレベル4相当の自動運転車に試乗し、そう感じた。
コンチネンタルの自動運転戦略は“シームレス モビリティ コンセプト”と呼ばれ、自宅から都市近郊まではユーザーが所有するパーソナルカーで移動し、その後は公共交通のサービスカーである無人運転シャトルに乗り換えるという“パーク&ライド形式”を想定している。
試乗ではまず、自動運転仕様のフォルクスワーゲン「パサート」をパーソナルカーに見立て走行した。車内にある小型ディスプレイには、赤と青の丸い表示が出る。これは、SIPの一環で、信号機の情報を周波数760MHz帯域で取得し、点灯状態だけでなく、信号が変わるまでの秒数も示され、ゼロになるとクルマは自動的に発進していく。
走行中、路面に速度抑制の人工的な突起物がある場合に減速して乗り心地を確保したり、歩道の手前で一旦停止をして歩行者を確認してから発進したり、快適性や安全性が十分に考慮されている。また、「積極的に(対応が難しい)交差点での右折を試みている」ともいう。
目的地である広い有料駐車場に入ると、アラウンドビューモニターで白線を検知し、パーキングモードに切り替わって自動駐車を行った。
「一般路では、時速0~60kmを想定した“高速モード”だが、地図情報で現在位置が駐車場だとクルマが認識すると時速0~12kmの“低速モード”になる」とし、ステアリングの切れ角も、駐車しやすいように大きくなるプログラムが作動する。
大きく改善された乗り心地
“パーク&ライド”のパークが終了し、次に無人運転シャトルに乗り換えた。
車両はコンチネンタルが出資するフランス・イージーマイル製だが、「既存の走行制御システムを取り除いて、コンチネンタル独自のアルゴリズムを盛り込んだシステムに入れ替え、乗り心地など走りの味付けが違う」という。
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