コンサル会社が異業種人材をかき集めまくる訳 DXニーズ沸騰!大手だけでも年間5000人を採用
『週刊東洋経済』5月10日発売号は「コンサル 全解明」を特集。デジタル化を背景にバブルの様相を呈しているコンサル業界の今を始め、ビジネスモデルや給料や待遇に至るまで、業界の表と裏を解き明かしている。
かつてないほどの需要に沸くコンサル業界だが、あるコンサル会社の首脳は「圧倒的に人が足りない」とこぼす。それもそのはず。DXは日本の企業全体が取り組まなければならない喫緊の課題で、既存の人員だけでは対応できない。だからこそ、コンサル各社はIT人材の確保に奔走しているのだ。
実際、争奪戦が過熱している。大手だけでも、新卒・中途合わせて年間5000人以上を採用。また、コンサル会社は従来、業界内の経験者を即戦力として採用することが多かったが、ここ数年はコンサル業界における人材の流出入を見ると、異業種からの中途採用が7割を占める。この6年ほどでコンサル業界への転職者数は4倍に激増したほどだ。実数は明らかでないが、数千人規模と考えてよい。
もちろん、業界内での奪い合いも引き続き活発だ。現在よりも高い給料をちらつかせて、引き抜きをかけてくるケースも少なくないといい、結果、コンサル業界全体の年収水準もうなぎ登りだ。
「採用が需要に追いつかない」
コンサル業界の勢いは、まだまだ衰える気配がない。別のコンサル会社首脳は「このままのペースで採用を続けても、需要に追いつかない」と期待をのぞかせる。
調査会社IDC Japanによる国内コンサルサービス市場規模の予測では2024年には1兆円(2020年比約3割増)に達する見込みだ。牽引役となっているのはやはり、DXに絡むデジタル関連のコンサルだ。現在、大宗を占めているデジタル関連以外のビジネス・ITコンサルの分野は、縮小する見通し。コンサル会社の主戦場もデジタル関連に移っていくことは明らかだ。
市場規模拡大の背景について、IDC Japanの植村卓弥・ITサービスグループマネジャーは、「かつてのような部門ごとではなく、業務改革や営業チャネルの改革、新たなデジタルサービスの開発など、全社的なデジタル変革の案件が増えたことが大きい」と説明する。つまり1案件の規模も大きく膨らんできているわけだ。
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