列車とホームの隙間埋める「秘密兵器」の開発者

JRや大手私鉄が続々と採用、足元の安全支える

山手線は全車両の規格統一が完了しているので、どの電車が来ても、ドアの位置、車いす用のスペースの位置や広さ、車両の床面の高さは同じ。ピンクのシールが貼られた6号車と7号車の4番ドア乗降口から乗車すれば、新宿と渋谷以外なら乗った位置から動かずに自力で降車もできる。
新宿と渋谷は今後駅構内の大規模な改修を控えているため、改修完了に合わせて2032年までに設置完了を目指す。

オリパラ対策の事業なので、設置場所は東京都心部を優先。山手線のほか、京浜東北線の新橋から上野までの各駅、品川、高輪ゲートウェイ、西日暮里、浦和、さいたま新都心の12駅、中央・総武線各駅停車の信濃町から代々木までの3駅でも設置が完了している。

ただし、京浜東北線と中央・総武線各駅停車は乗降口が山手線とは異なり、1号車と6号車の4番ドア乗降口に設置されている。

独占状態のクリヤマスキマモール

この先端タイルとくし状部材「スキマモール」をJR東日本に供給したのは、大阪のクリヤマ。ゴムや合成樹脂製品の会社である。

建設機械や農業機械などに搭載する部品、商業施設などの床材や点字ブロック、屋外競技場の人工芝、トラック材や体育館の床材など、扱う品目は広範囲で、自社製品の販売・施工だけでなく、仕入れ商品を組み合わせた設計も手掛ける。グループの持株会社・クリヤマホールディングスが東証2部に上場している。

スキマモールは鉄道の乗客の転落防止対策用に、阪急電鉄との共同開発で誕生した製品で、阪急電鉄の協力のもと実証実験を重ね、1号製品が阪急電鉄十三駅に設置されたのが2013年7月だ。

スキマモール。くし状に並んだ板の上に波状の天板が付けられている(筆者撮影)
 

形状はくし状に並んだ板の上に波状の天板が付けられている。車両が当たっても車両が傷つかないよう、くしの部分に車両が当たるとくしが波打ち、波打ったくしで天板も持ち上がることで力を逃がせる。

素材は樹脂の一種である熱可塑性エラストマーを採用、車両が接触すると摩擦熱でスキマモール側が溶け、車両を傷つけないという。天板を波状にしてあるのは、くしが波打った際に天板を持ち上げるため、そして乗客が足を滑らせないようにするためだ。

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