新横浜の地下深く、人知れず進む巨大鉄道工事 22年度下期開業「相鉄・東急直通線」現場ルポ

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地下2階にあるブルーラインの線路の下に相鉄・東急直通線の駅が造られる。工事を行う際、既存駅の地盤が弱まり沈下する可能性がある。そこで既存駅が沈下しないよう、既存駅下の地盤に固化材を高圧で噴射し、土と撹拌して地下水流入防止などの地盤改良を施した後、強固な地盤まで杭打ちして既存駅を仮受けした。しかも、地上は交通量が多い幹線道路に設けられたスペースでの作業であり、駅前の円形歩道橋も工事を支障しかねない。もちろん、ブルーラインとの交差部における工事は列車の運行を妨げないよう、慎重に行う必要がある。厳しい条件が重なる中での難工事である。

相鉄・東急直通線の新横浜駅は環状2号線の直下に建設。市営地下鉄ブルーラインの線路の下を通る(画像:鉄道・運輸機構)

地下4階のホーム上に立つ。新横浜は相鉄と東急の境界駅。そのため、ホームは2面3線式で、双方向への折り返し運転が可能な構造になっている。

線路こそまだ設置されていないが、エスカレーターはすでに取り付けられていた。ホームの化粧板も完成しており、あとは駅名標を設置すれば見慣れた駅ホームの姿になる。

「ST線第1出入口」と呼ばれる場所から地上に出ると、真上に円形歩道橋がある。第1出入口と歩道橋と結ぶエスカレーター、エレベーター、階段が設置される予定だ。便利ではあるが、新幹線との乗り換えについては地下4階からの移動となるため、JR横浜線やブルーラインと比べると、乗り換えには少し時間がかかりそうだ。

残る難関は新綱島―日吉間

駅に続いて地下トンネルの建設現場を歩く。羽沢横浜国大―新横浜間を走る長さ3.5kmの羽沢トンネルは2020年2月に貫通し、現在は軌道工事中。

新横浜―新綱島間を走る長さ3.3kmの新横浜トンネルは、2020年6月に新横浜トンネルの真上で2度にわたって道路が陥没する事故が起き、工事が一時中断したが、同年11月にシールドマシンによる掘削が完了した。「開業予定時期への影響はない」(JRTT)という。

トンネル内には線路がすでに敷かれていた。もっとも、これは旅客営業用ではなく、作業用の仮設線路。工事の部材を運ぶ台車が線路の上を走る。

残るのは新綱島―日吉間だが、これもなかなかの難工事だ。日吉駅のホームを出発した列車はしばらくの間、東横線の高架の下を走り、その後地下に潜る。地上部では東横線の高架橋の真下に新線の構造物を造るため、高架橋を改築する作業が必要となる。むろん、東横線の列車運行に支障があってはいけない。

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