蒸し暑さフッ飛ばす「夏のハロハロ」の破壊力 マンゴーは300万食販売。ピーチはどこまで?

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「ベースとトッピング両方に桃を使用しています。昨年はベースにヨーグルトを入れ、それも好評だったのですが、今年は『フルーツたっぷり』の訴求をコンセプトにしています。すでに販売しているマンゴーパフェやメロンパフェも上下にフルーツが入っています」(開発担当:中間美奈子さん)。

完熟前の桃を煮詰めて使用

ピーチパフェも、マンゴーパフェのようなヒットになるか?

中間さんがピーチパフェで工夫したポイントが、完熟前の桃を使用したことだ。そのままでは硬く甘みもないため、シロップで煮詰め、やわらかさのなかにしっかり噛み応えもある、ほどよい食感と、自然な甘さに仕上げた。

「完熟した桃はやわらかくて、パフェにしたとき形が崩れてしまうんですね。また缶詰の桃では安っぽい味わいになってしまう。わざわざ若い桃を使い、シロップで煮詰めるという、非常に手間のかかる工程なのですが、フルーツならではのフレッシュさを表現するために、こだわっているポイントです」(中間さん)。

ピーチパフェを味わってみると、さくっとした歯ざわりや桃特有の甘い香りは、想像以上に“生の桃”に近い印象だ。さらにソフトクリームと混ぜながら食べると、ソフトクリームの濃厚さと桃の爽やかな味わいが混ざり合って、甘いだけではない、どこか意外性のあるスイーツに仕上がっている。桃とソフトクリームの相性の良さに、初めて気づかされたというところだ。もっとも、ミニストップでは4月にソフトクリームを見直し、パフェやハロハロに合う味わいへと改定している。それまでより濃厚に生まれ変わったソフトクリームは、フルーツのフレッシュさと補い合う関係なのだ。

これまで発売してきた季節限定パフェと同様に、エネルギーも178キロカロリーと低く抑えた。女性ターゲットの商品として外せないポイントだ。
「コンビニのなかでも当社は女性比率が低いので、パフェで女性客を増やしたいと思っています」(中間さん)。

ミニストップでは、イートイン部門だけでなく、販売部門でも女性を意識したデザートを発売。旬のフルーツを使用したショートケーキや、太りにくいという希少糖を使用したゼリー、コラーゲンを配合した低カロリーのデザートなどを投入していく予定だ。

イオングループであるミニストップの単体の業績は、2014年度第1四半期840億3100万円と、前年の881億8600万円に比べダウン。今年6月についても全店売り上げが前年比96.3%となっている。しかし、6月13日に発売の「贅沢ぶどうソフト」が牽引し、コールドデザートは前年を上回っているという。8月には、「丸ごとぶどうパフェ」の投入も控えている。ミニストップの売り上げを再びプラス成長に戻るかどうかは、この夏のメロンソーダとフルーツパフェに掛かっているともいえるだろう。

圓岡 志麻 フリーライター

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まるおか しま / Shima Maruoka

1996年東京都立大学人文学部史学科を卒業。トラック・物流業界誌出版社での記者5年を経てフリーに。得意分野は健康・美容、人物、企業取材など。最近では食関連の仕事が増える一方、世の多くの女性と共通の課題に立ち向かっては挫折する日々。contact:linkedin Shima Maruoka

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