台湾の経済発展に中国は有効か、対中FTAをめぐり与野党が激論
だが、民進党に代表されるように、安易な自由貿易協定があっという間に大陸との関係を縮め、そのうち吸収統一、あるいは香港・マカオのような「一国二制度」に持ち込まれるのではないかとの危惧は非常に根強い。
住民の直接投票で自らのリーダーを選ぶほど民主化が進んだ台湾。その住民も、1949年以降、大陸から移住してきた「外省人」も減少し、それ以前から台湾出身者である「内省人」が人口の8割を占める。政治、社会、文化とあらゆる面で大陸との差が広がった。
だが、人口2300万人の台湾にとって今の大陸中国の存在はあまりにも大きい。「独立」を謳えば世界から無視され、「現状維持」だと中国がじゃまをする。そのジレンマが深ければ深いほど、大陸との距離感をどう取ればよいのか、台湾住民さえ悩んでいるのだ。
交渉は6月に合意できれば、台湾の国会に当たる立法院での可決・批准を経て発行される。中国側も「台湾側に利益を与える」という姿勢であり、交渉自体も当初から「問題になるものは除外する」との前提で関税リストの絞り込みなどを行っている状態だ。
台湾側にとって、ある種壮大な実験となるECFA。6月に合意できるかどうか、交渉の行方を見つめるほかない。
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