沈黙する「日本ミャンマー協会」が抗議浴びる訳 「最大の経済援助国」日本の姿勢が問われている
協会が開発の目玉としているティラワ経済特区。軍幹部出身のテインセイン大統領からその地を紹介されたのが、政界を引退したばかりの元郵政大臣、渡邉秀央氏(86)だった。現在、協会の会長を務める人物だ。
渡邉氏は協会の設立以来、今回のクーデターを首謀したミンアウンフライン総司令官と24回も面会している。クーデターの2週間前の1月19日にも首都ネピドーで会談し、「ミャンマーと日本(自衛隊)両軍の協力を促進するための日本ミャンマー協会の取り組みについて真摯に話し合った」(総司令官のブログ)。
協会の正会員キリンホールディングスは、軍系企業のミャンマー・エコノミック・ホールディングスとのつながりが発覚した。同じく正会員であるゼネコンのフジタが担当しているヤンゴンの開発事業では、事業用地の賃料が国防省に支払われているという。
雨が強くなってきた。協会の事務所に向かって抗議のスピーチが続く。留学のため8年前に来日した女性は、ヤンゴンにいる母のことを案じながらこう話す。
「私は日本と母国をつなぐビジネスの仕事を希望していました。だから、クーデターが発生したあと日本ミャンマー協会がどういう対応をするか期待していた。でも、ずっと黙っている。絶望しています」
日本財団への抗議行動へ
きょう4月22日の午後、彼らはミャンマーと太いパイプを持つもうひとつの団体、日本財団への要請行動を予定している。会長は、ミャンマー総選挙監視団長として現地で視察した笹川陽平氏。クーデター後、在日ミャンマー大使と面会したものの、表立った発言をしていない。
在日ミャンマー市民協会らが主催した集会で、外務省アジア大洋州局の首席事務官はこう答えた。「事態の推移と関係国の動向を注視しつつ、なにが効果的か検討する」。その政府に対して2つの団体は、いまどんな役割を果たしているのか。
日本人記者が逮捕され、まさに当事者となった日本。内戦が危惧されるミャンマーに有効な手を打てるのか。鋭く問われている。
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