SNSでくよくよ悩む人に教えたい「3:1の法則」 幸福学者に聞いた「感情バランスの保ち方」
「インスタ映え」にこだわるのも、ポジティブな気持ちでやるなら問題ありません。自分よりスタイルがいい人の写真を見て、「よし、私もがんばるぞ!」と前向きにライバル心を燃やすなら問題ないのです。
反対に、周りと比較して「やっぱり自分はダメだ」「自分はいくらがんばっても無理だ」とマイナス思考が強まってしまうタイプの人は、SNSは使わないか、制限したほうがいいと思います。
――先生が提唱する幸せの4因子(自己実現と成長、つながりと感謝、前向きと楽観、独立とマイペース)の1つに、「独立とマイペース(自分らしさ)」があります。SNSの幸せな使い方も、これがポイントでしょうか。
まさにその通りです。独立性があってマイペースな人は、他者と自分を比較しません。人の目を気にせず、自己概念も明確な傾向があります。「自分の軸」がはっきりしているんですね。不幸な人はその逆で、軸がはっきりしていないから、フォロワー数や「いいね!」の数に一喜一憂する。人の幸せそうな投稿を見て、嫉妬したり妬んだり、ネガティブな感情を抱いてしまう。それが不幸の始まりなのです。
マイナス感情のはけ口にする人たちの不幸
――ツイッターの場合、対立が起きやすいので、自分と意見や考えが異なる人をバッシングする人も多いです。
わざと炎上するようなことをつぶやいて、注目を集める人もいますから。偽名で他人を誹謗中傷するような人は、いじめと同じで「いい気味だ!」と、マイナス感情のはけ口にしてストレスを発散しているのでしょう。それは「他人の不幸は蜜の味」と思っている人たちですが、結局、そういうことでしかストレス発散できない人たちがいちばん不幸なのです。
もちろん社会には一定の批判精神も必要です。ポジティブ心理学のフレデリクソンは、ポジティブな感情がネガティブな感情の3倍以上で「3:1」の比率を上回っていれば、人も組織もうまくいくと言っています。その後、3:1かどうかは議論の余地があるとも言っていますが……。
SNSも同じで、自分の感情のバランスが「3:1」を維持できずにネガティブな感情が強まるようであれば、他人の投稿は見ないようにするなどして、使い方を見直したほうがいいでしょう。
――ほかにも注意点はありますか。
車と同じで、使い方を間違えると交通事故に遭いますよ、ということです。車は規制やルールが細かくあって、アルコールを飲んだら運転できません。インターネットの社会もリスクが多いので、本当は規制やルールを作るべきなのです。でも今のところそれがないので、SNSも「飲んだらやらない」と、自分でルールを決めてもいいと思いますよ。酔っ払っているときにSNSで暴言、失言を投稿して、後悔している人もいますから。
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