SNSでくよくよ悩む人に教えたい「3:1の法則」 幸福学者に聞いた「感情バランスの保ち方」

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――発信するだけで、他人の投稿はほとんど見ない人と、逆に発信はまったくせずに他人の投稿を読むだけの人もいます。

僕は、発信が8割、読むのが2割くらいです。自分が書き込んだときに、たまたまタイムラインにあがってきた情報を見るだけで、人の投稿はほとんど読んでいません。情報は、受け身よりも、主体的に発信するほうが人を幸せにします。しかもその発信内容が利他的で、人を楽しませたり、人の役に立ったりする内容であれば、幸福度はさらに高い傾向があります。

反対に、自己満足で終わっている自慢話の発信は、自分のためにも他人のためにもやめたほうがいいでしょう。SNSで、美味しいものを投稿して「リア充」自慢している人がたくさんいますが、自分の幸せをアピールするだけの人は、印象がよくありません。

逆に「この美味しい料理をみなさんにも食べてほしいから紹介したい!」と、レシピまで教えようとするスタンスの人は利他的で、読む人の気持ちを考えているので好感度が高まります。すると、リプやコメントにも、「教えてくれてありがとう!今度作ってみます」といった好意的なメッセージが集まり、お互いハッピーな気分になれるのです。

「利己的」か「利他的」か、わかってしまう怖さ

――SNSには、美しい景色、めずらしい風景、プラベートの写真を投稿している人も多いです。そういった使い方についてはいかがですか。

例えば、「ハワイの貸別荘に来ています。ここはホテルより安くて快適で、最高の景色が見えるのでハワイにくることがあったらオススメです!」というひと言があると、利他的ですよね。見ているほうも、行ってみたいなと素直に思えて嫌な気持ちはしません。

ところが、「ハワイの貸別荘に来ています。最高の景色で幸せ!」とだけ書いてあると、見ている人は「ふーん」で終わってしまう可能性が高いのではないでしょうか。ほんのちょっとしたひと言で、利己的か利他的かがわかるのがSNSの怖いところなのです。

ですから、自分が経験した感動や幸せを分かち合いたい、あるいはほかの人にも体験してほしいと思ったら、必ずその気持ちを一言伝えてください。そうすると、発信するほうも見ているほうも幸福感が増しますから。

――インスタグラムの世界では、美容、健康、料理、ファッションなど、競い合うようにこだわりの写真や動画を投稿している人も多いです。インスタグラムのために手間と時間とお金を使うことは幸せなのでしょうか

「美しいものを作る人は幸福度が高い」という研究結果があります。インスタグラム映えする写真がバッチリ撮れたときの喜びは、美しいものを作る喜びの一種ですから幸せでしょう。

ヨガや筋トレもそうですよね。理想の体型を目指してダイエットしたり、筋トレして肉体を鍛えたり、ヨガですごいポーズを決めるのは、アートに近いのではないでしょうか。自分が目指す肉体美を手に入れたら、達成感や満足度も高まるので幸福度も上がります。

僕は、インスタグラムは「アートの民主化」を進めた活動だと思っています。昔は芸術家って、一部の選ばれた人だけがなるものと思われていました。けれども今は、誰でも自分の作品をSNSで発表できますし、人気があれば仕事にもつながっていく時代です。

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