ライオンズが中継映像「自前で作る」納得の理由 テレビで「同じホームラン映像」が流れる背景

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テレビ局にとっては、制作スタッフを送り込むことなく、いつでも使える映像が割安で入手できるのですから、とても便利です。

球団にとっては、これまでにはなかった新たな収入源になりましたし、露出を増やす格好の宣伝材料にもなっています。

2019年のリーグ優勝と千葉ロッテの厚意

入場者の少なさに悩んでいた当時はもちろんのこと、現在でも、パ・リーグのどのチームもビジターチームのファンの方々に球場に来てもらわなければ、スタンド1周360度を埋め尽くすことは到底できません。

そういう意味では、対戦相手のファンにも満足してもらい、リピーターになってもらうことは非常に大切なことです。

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すべてのパ・リーグのファンにとって魅力あるリーグにしていこう。球団それぞれの競争とは別に、リーグ全体でまとまることで生まれるビジネスをやっていこう。そういう思いから、パの6球団出資によるパシフィックリーグマーケティング(PLM)という会社が誕生しました。

PLMの誕生は、パ・リーグ各球団に大きな変革をもたらしました。パの各球団の交流や協力関係が強くなっていったことがもっとも大きな変革だと言えるでしょう。

最もわかりやすい例が、2019年のリーグ優勝のときです。2019年、ライオンズの優勝決定試合は、千葉ロッテのホームゲームでした。当然、その試合の映像の権利は千葉ロッテ球団のものなので、ライオンズとしてはそれを購入するのが普通です。

でもそのとき、千葉ロッテから、「その1試合はいいですよ。優勝ですから、どうぞ使ってください」と言ってもらえました。

「胴上げシーン」は重要な商品ですから、昔だったらビジネスライクな対応しかできずに、ギスギスとした関係のもとになっていたかもしれません。共同で行う事業も増え、一緒に盛り上げていこうというつながりが強くなったからこそのご厚意(ご祝儀)で、とてもありがたく思いました。

髙木 大成 元プロ野球選手
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