ライオンズが中継映像「自前で作る」納得の理由 テレビで「同じホームラン映像」が流れる背景

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自前で映像をつくって管理しておけば、逆に放送局に販売できるようになります。これも大きなメリットです。

地上波、BS、CSなど、ひとつの映像を複数の放送局に販売することが可能になります。これにより、放映権収入を最大化できるのはもちろんのこと、露出が増えて、視聴者数を増やすこともできます。

これまでのように、それぞれの放送局が映像の権利を持っていると、ライバルである他の放送局から放映権を入手しなくてはならず、それには少なからず抵抗感があったはずです。

本来であれば全放送局で映像を流してくれてもいいような価値のある話題でも、伝えてもらえないことになってしまいます。

特定の放送局ではなく、球団が管理して販売する形であれば、各局とも放送しやすくなるはずです。

私たちにしてみれば、多くの局で放送してもらえれば、それだけ多くの視聴者に映像が届くのですから、そちらのほうがいいに決まっています。それが球場へ足を運ぶ「呼び水」にもなるのですから、いいことずくめなのです。

どのスポーツニュースでも同じ映像が使われる理由

球団による中継映像の制作は、テレビ局にもたくさんのメリットがあります。制作費が安くなることでトータルのコストを削減できるのが、最も大きいものでしょう。

ひとつの試合を2局で中継するとき、以前はそれぞれの局でカメラも中継車も、もちろん人も出していましたが、そうした出費を削減できます。

ニュース用映像の「流通経路」が変わったことも、テレビ局にとっては恩恵があったはずです。

現在、ライオンズでは、実際に放送された中継映像の「まるごと」だけでなく、生中継では放送されなかったものを含めて「ニュースで使えそうな映像」を、数十分にまとめたものをセットにして、購入を希望する各テレビ局に納めています。

その全部の映像の中から「1日当たり何分までなら自由に使っていいですよ」というプランで契約を結んでいるのです。たとえば、山川穂高選手が逆転ホームランを打った日に、全局のスポーツニュースで同じ映像が流れるのは、そういうわけです。

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