巨大キャンピングトレーラーの意外な使い方 キャンプ目的の利用はゼロ!?その利用方法とは

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ちなみに展示車両の価格は、1265万5500円となる(筆者撮影)

さらにメリットはいくつかある。このモデルは、価格(税込)が展示車の仕様で1265万5500円だが、新築で家を建てるよりも安く済む場合も多い。また、あくまで「家ではない」ため、登記上は宅地でない場所や、住宅の建築を制限している市街化調整区域などにも設置ができる。さらに、もし居住者が死亡するなどで不要になれば、撤去することも比較的容易だ。建物の場合は、取り壊しが必要なため手間や費用が膨大になるケースも多いが、トレーラーなら自動車で牽引して移動ができる。

ただし、問題もある。別荘地がある地域によっては、管理する団体や企業、各自治体の方針により「景観を損なう」という理由で設置ができない場合もあるという。また、購入者には個人ユーザーが多いが、企業が利用する例も稀にある。例えば、沖縄県の石垣島で宿泊施設として巨大トレーラーを利用しようとしている某業者の場合、現地の自治体から事業許可がなかなか下りず、商談が滞っているといったケースもあるそうだ。

富裕層が住まいとして個人所有するケースが多い

ニートRVが扱う大型キャンピングトレーラーは、主に企業経営者などが個人名義で購入する例が多い。主な年齢層は60代以上と比較的高いというから、現役引退により、余生をゆっくりと過ごす「住まい」として購入する人も多いのだろう。

広々としたキッチン&ダイニングスペース(筆者撮影)

販売台数は、新車の場合で年間10台程度だ。同社では中古車も扱っており、程度やサイズにより100万円台から800万円台で購入ができる。流通在庫は少なく、あまり価格や大きさを選べないが、300万円台であれば「すぐに買い手がつく」(担当者談)ほどの人気だという。

同社が扱うウィネベーゴは、1958年にアメリカ合衆国アイオワ州で創業したキャンピングカーの老舗メーカーだ。長い歴史に裏付けられた高い信頼性などにより、北米キャンピングカーの代名詞的存在で、トレーラーのほかにも中・大型の自走式キャンピングカーなども数多く製作している。1970年代に生産された同社のビンテージモデルなどは、よくハリウッド映画などでも登場するため、キャンプと映画が好きな人の中には、ご存じの方も多いだろう。

そのような背景を考えると、購入者には「古き良き時代」のアメリカに憬れを持つ人も多いのかもしれない。高齢者が主なユーザーであれば、そんな時代を好む人も多い。地方にある自然豊かな別荘地などで、ゆっくりと田舎暮らしを楽しむ。まるで、アメリカの開拓時代を体感するかのように。

平塚 直樹 ライター&エディター

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ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

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