「人前で緊張する人」が知らない話し方の原則 アナウンサーの話し方だけが「正解」ではない
アナウンサーの話し方を目指さなくていい
話し方の手本の話をするとき、アナウンサーがよく例に挙がります。聞き取りやすい発音、よく通る声、誠実な印象など、ビジネスで好まれるイメージの多くが、アナウンサーと共通しているからでしょうか。
歴史的には、1950年代に集団就職などで地方から上京してきた人たちに、共通のマナーや話し方が必要になりました。方言が強く、コミュニケーションが難しかったのだろうと思われます。そのとき話し方教室を開いて、共通語を伝えたのがアナウンサーたちでした。そのため、アナウンサーが今でも話し方の手本と考えられているのかもしれません。
アナウンサーは、音声で情報を伝えることに関してとてもレベルが高く、厳しい訓練を経て、あの話し方を習得しています。決して、生まれ持った才能で、あの話し方ができているわけではありません。
アナウンサーはすばらしい職業で、話し方の手本であることは間違いありませんが、気弱さんには、アナウンサー的な話し方を目指すのは、あまりオススメできません。
気弱さんは、正解を探すことに身体が慣れすぎていて、正解に頼りたくなる癖が身体に染み込んでいます。そんな気弱さんが、ものすごい数の「テクニックという正解」のうえに成り立つアナウンサーの話し方を学んでしまうと、自分がその通りに話せていないというプレッシャーから、さらに自分に対して自信が持てなくなってしまいます。
実際、話し方に正解があるわけではありません。プレゼンテーションにしても、ゆっくり間を取って話すアップルの創業者のスティーブ・ジョブズのような話し方もあれば、中田敦彦さんのように、言葉をリズムよく畳みかけるように話すスタイルもあります。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら