野村ホールディングスが挑む大改革、“外資化”への試練


 報酬体系は他の社員と同様、「基本給+賞与」だが、特に賞与のメリハリが大きい。実績次第で1億円プレーヤーとなることも可能。ただ、専門性を追求するため、一度G型になると他の部門へ移れない。投資銀行部門を選択すれば、ずっとそのまま。いわば片道切符である。「成績が悪ければ給料も激減するし、中心のポジションにいられない。要するにハイリスク・ハイリターン」(野村関係者)。

外資系証券では当たり前の制度だが、これをリーマン買収を機に本格導入した。評価や評価尺度の決定は各部門長(部門CEO)が行う。転換選択は毎年実施し、「法人業務については、現在の45%から大半をG型に転換したい」(同)という。

リーマン出身幹部が流出 カギを握る人材保持

野村は「グローバルトップ5の投資銀行としてゴールドマン・サックスなどと伍していくのが目標」(法人部門幹部)。とすれば、外資系と同じ人事制度の導入は不可避かもしれない。ただし問題は、器を作っても、中身が伴うかどうかだ。

法人部門でG型を選ばなかった社員は、「ジョブセキュリティ(職の保証)がないから」と話す。「そんなに自信もないし、今時クビになっても再就職は大変だし……」。

今後は、こうした社員とG型社員が同じ部門で混在する状況が続く。机が隣り合わせでも、互いのモチベーションにかなりの差が生じるだろう。過渡期とはいえ、外資系証券とも違う異常な状況だ。また、部門ごとに命令系統を分けると、逆に部門間のチームワークが悪くなり、利益追求で部門や個人の暴走を招きやすい。これは外資系一般に言えるリスクだが、導入初期の野村がこれをどうマネージしていくか。

外資化という名の「リーマン化」。社員の一部からは「こっちが買収したのに、なぜ向こうに合わせなければいけないのか」との不満も聞かれる。「リーマンの海外社員は優秀。もともと実力が違うのに、英語になると、余計かないっこない」「野村はリーマンに乗っ取られつつある」といった声すら漏れてくる。

実際、海外各部門のヘッドはほとんどがリーマン出身者。多少の配慮もあろうが、これが実力だろう。

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