中国だけではだめなのです 百度は中国企業じゃないから

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 --日本の検索市場には、まだ開拓の余地が十分にあると。

 ええ、非常に大きい。

 --しかし開拓の余地といえば、中国のほうがはるかに大きくありませんか。中国のネットユーザー数は人口のまだ1割強。日本はすでに6割です。日本市場はそんなに魅力的?

 百度が日本に参入したからといって、決して中国に力を入れないわけじゃない。中国は将来にわたっても非常に重要な市場です。でも「中国だけ」ではダメだ。百度は中国企業じゃないのですから。
 
 会社を立ち上げて以来、百度を中国企業だと思ったことは一度たりともありません。僕自身は米国で8年過ごしましたし、百度の法人登記地はケイマン諸島。初期の資本はすべて米国の投資家から集めました。上場したのも米国。現在の主要株主も米国の投資家で、中国資本は一銭も入っていません。中国は本社を置いているだけです。最初から、グローバル経済を念頭に置いて会社を立ち上げたのです。

 日本進出、そして海外展開も米国にいる投資家がそう要求したからではなくて、世界で百度を大きく育て、事業を成功させることこそが会社設立の目的だから。真の意味で成功するハイテク企業というのは、一つの地域だとか国に(市場や活動範囲を)限定されるものではないでしょう。

 --海外へ踏み出す第一歩に日本を選んだのはなぜですか。

 理由は三つあります。まず、日本は中国と同じ漢字文化の国だからということ。二つ目は、日本の市場が米国から持ち込まれた検索技術に圧倒的に掌握されているということ。グーグルにしろ、ヤフーにしろ、使われている検索技術は日本で開発したものではないでしょう。もともと中国でもこの2社は大変親しまれていましたが、百度は自分たちの技術で彼らを退けました。

 日本市場ではまだ、日本の言語や文字、文化と英語のそれとの大きな違いが、検索エンジンを作るうえで十分に考慮されていない。日本だけではありません。ネット技術は現状では米国という特定の国で生まれた技術が、世界各国に移植されて使われている。各地のネットユーザーの需要に合わせた手直しが、基本的にはほとんどないのです。ここに注目していることが、百度とグーグルなどとの最大の違いです。

 最後は地理的なメリット。中日は近いでしょう? 僕もこの1年だけで、7回も日本を訪れました。時差も基本的にありませんし、中日双方のコミュニケーションは容易です。

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