クラブハウスが「幸福度高めるSNSになる」根拠

多様な「弱いつながりの人」を増やす重要性

幸福学の第一人者である前野隆司氏がクラブハウスのよさを解説します(写真:ZUMA Press/アフロ)
アメリカ発の音声SNSアプリ「Clubhouse(クラブハウス)」が、2021年1月下旬に日本でリリースされてから2カ月が経ち、2月時点で国内ユーザーは50万人を突破したといわれています。
現在はブームが落ち着き、積極的に活用する人としない人の二極化が起きていますが、「従来のSNSでは足りなかったものを補完する時代に合ったツール」と評価するのが、幸福学の第一人者で直近の共著に『99.9%は幸せの素人』がある前野隆司氏です。自身もClubhouseをポジティブに活用しているという前野氏に、そのメリットや使い方を聞きました。(取材・文:樺山美夏

弱いつながりの人が増えると幸福度が高まる

――Clubhouseが日本に上陸してから約2カ月が経ちました。前野さんも「幸せ」に関するテーマでよく話をされています。幸福学の観点から見て、Clubhouseのどういう点にメリットを感じるのでしょうか。

Clubhouseが出てきたとき、従来のSNSでは足りなかったものを補完する、時代に合ったツールが出てきたなと思ったんです。人間は、多様な友達を持っていると幸せなことが研究結果でわかっています。多様な人と知り合うためには、きっかけづくりが必要ですから、コロナ禍で人と自由に会えないときでもClubhouseがその場所になりえます。

Clubhouseを使うと「弱いつながり」の人も増えます。人間は村社会のような「強いつながり」の人とだけ関わっているとストレスが増すのですが、弱いつながりの人が増えると幸福度が高まるのです。

ビジネスの世界でも、「弱いつながりの強さ」が大事だと言われます。強いつながりの人間関係だけだと、いつも同じ情報しか得られませんが、弱いつながりの人が多ければ多様な情報を効率良く得られるからです。

――私もClubhouseを利用したことがありますが、初めて声だけで話した人でも、知り合いのような気分になります。お互いフォローし合うと、さらにその感覚が強まります。それも弱いつながりだということですね。

そうです。また、人間には2つの大きな欲求があります。1つは、自分がわかっていることを効率良く進めたいという欲求。それが達成できると、パフォーマンスが上がったことに幸せを感じるからです。もう1つは、想定外の出来事に対応して自分の可能性を広げたいという欲求。これは、自分がまだ知らない自分を発見したときに幸せを感じるからです。

つまり、よくわかっている自分を発揮する幸せと、よくわからない自分を発揮する幸せを人は求めているわけです。後者は雑談によって育まれるので、Clubhouseはある意味、必然的に生まれたとも言えるでしょうね。

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