総務省で進むNTTの組織問題。「分割」主張するソフトバンクらの思惑は

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小


 アクセス回線のみを保有する新会社を設立し、NTTと資本分離を行えば、すべての事業者に公平にインフラを貸し出す環境が整い、通信サービスの競争が促進されるというのがソフトバンクらの言い分だ。

光ファイバー事業はインフラ敷設と顧客獲得に多額の費用がかかり、シェア約7割のNTT東西を含め、全事業者が大幅な赤字の状態。ブロードバンド事業を手掛けるソフトバンクBBでは自前で光ファイバーの敷設をやめ、昨年2月よりNTT東西の光サービス「フレッツ光」の代理販売を行っている。

今回NTT分割で同社のアクセス回線を安く迅速に利用できることになれば、NTT以外の通信事業者は自前でインフラ整備の費用をかけずに、採算の見合う都市部などでだけサービスを提供することも可能になる。

20日の会合で孫社長は「NTTにとって得だとか損だとか、ソフトバンクにとってどうだとか、そんな次元の話ではない。これはNTTの構造改革ではなく、ニッポンの構造改革だ」とブチ上げ、ICT活用が教育、医療、行政サービスなどの面で国民にもたらす利益にこそ目を向けるべきだと主張した。だが、こうした思惑は当然視野に入れていることだろう。

原口総務大臣はタスクフォースを通じ、5月中旬までに構想の大枠を固める方針。期日は迫りつつあり、議論の行方が注視される。

(桑原 幸作 =東洋経済オンライン)

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事