橋下徹「教育格差は自己責任で片付けられない」

日本の「教育への公費投入」は先進国最低レベル

お金のあるなしに関係なく子どもたちは学校を選べる。これまで私立に行けなかった子どもが私立に行けるようになった。

公立と私立のあいだだけでなく、公立と公立のあいだにおいても、どの高校も特色を打ち出そうと知恵を絞るようになってきた。

これが流動化ということだ。

吉村知事は、大阪府立大学と大阪市立大学が統合した新しい大阪の公立大学の学費も、低・中所得の大阪府民世帯については無償化にすると表明した。

学ぶ機会の均等は社会の義務

いまの日本の教育システムがおかしいと思っている子どもたちは、自分の思っているやり方でやればいい。年齢を基準とするいまの画一的なカリキュラムに縛られる必要はない。

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しかし、いまの日本の教育システムであっても、それを学びたいという子どもがいるのであれば、家庭の経済状況にかかわらず、学ぶこと、選択ができることの「機会」を提供してあげることは社会としてマストだと思う。

社会は人によって成り立っている。その社会を支える人の能力次第で、社会の豊かさが決まる。

ゆえに社会が、子どもが学び、その能力を伸ばす機会を子どもたちに平等に与えることは義務である。

国や自治体の教育への公費投入はまだまだ不十分だ。

僕は子どもが生まれてから大学を卒業するまで、そして社会人になってからの学び直しも含めて、経済状況の差によって格差が生まれてはならないと思っている。低・中所得世帯は無償にすべきだ。これが子どもを産むことを経済的理由でためらっている若い夫婦への後押しにもなると思っている。

さらに無償化は、学校側に無尽蔵に運営交付金を投入するのではなく、子どもや学生側に授業料バウチャー(クーポン)を与えることによって、経済状況を気にせずに自由に学校を選べるようにする。

そうすると子どもや学生が集まらない学校は統廃合の対象になるので、学校間における切磋琢磨が激しくなり、学校の質も高まる。まさに流動性を高めることの活性化だ。

「教育格差は仕方がない」と家庭の自己責任論に取り込まれて、諦めてほしくはない。教育格差の是正は政治の第一の使命だ。

ポイント
社会の豊かさを支えるのは教育。
教育を守るのは社会全体の使命だ。
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