と、「内側線、列車接近!」という声が現場に響いた。全員が手を止め、安全な場所で列車が通過するのを待つ。やがて、轟音を立てて貨物列車が通過していった。物流の重要ルートでもある東海道本線は、深夜も頻繁に貨物列車が走っており、その度に作業がストップする。想像していたよりも、作業ができる時間ははるかに少ない。
1時10分すぎ、古いレールが早くも撤去された。すぐに新しいレールを移動し、撤去した部分と長さを合わせる。今回運び込まれた新レールは長さ500mのものだが、すべてを使うわけではない。レールを交換するタイミングは、その上を列車が何トン通過したかを基準に決められ、必要な部分だけを交換する。
レールは約20年で交換
「この区間のレールは、前回は2002年に交換をしました。ここは貨物列車も多く、JR西日本の管内では最もレールに負担がかかる場所の1つで、だいたい20年前後で交換することになります」と、同行した社員が教えてくれた。交換の際に余った新レールは古いレールと共に後日回収し、別の個所を補修する際などに使うそうだ。
深夜のレール交換作業
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夜間作業を前に、工事事務所で点呼が行われる
(筆者撮影)
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線路閉鎖を確認して、一斉に作業に取り掛かる。
他の線路はまだ列車が運行中だ(筆者撮影)
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外側線の線路閉鎖後、最終の普通列車が内側線を通過した
(筆者撮影)
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旧レールをガスバーナーで切断する
(筆者撮影)
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旧レールを固定している金具のボルトを
工具で取り外していく(筆者撮影)
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レールを横移動させるための「山越器」を設置
(筆者撮影)
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長さ約500mのレールを山越器で移動。
前後の作業員で声を掛け合う(筆者撮影)
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新レールを所定の位置に設置完了。
左側に旧レールが見える(筆者撮影)
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新レールは所定の長さより少し長いため、
余りとなる部分を切断する(筆者撮影)
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溶接する部分のレール高さを慎重にそろえる
(筆者撮影)
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溶接する部分のレールを研磨し、キレイな状態にする
(筆者撮影)
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新レールの前後を溶接するための機器を設置する
(筆者撮影)
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火を起こし、新レールを溶接する準備に取り掛かる
(筆者撮影)
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ルツボで溶かした金属を溶接部分に流し込む
(筆者撮影)
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金属が冷えたら、周囲の余分な部分を取り除く
(筆者撮影)
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乗り心地などに影響が出ないよう、溶接部分を
グラインダーで平滑に仕上げる(筆者撮影)
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溶接部分に傷がないかどうかを超音波探傷機で測定する
(筆者撮影)
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レールが所定の幅となっているかどうかをチェックする
(筆者撮影)
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列車と接触する場所に旧レールや資材がないか、
作業区間全体を最後に巡回する(筆者撮影)
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作業員全員が退出したことを確認し、線路閉鎖の解除を申請
(筆者撮影)
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