キューバ「自国ワクチン5つ開発中」という衝撃 ワクチン接種希望する観光客の誘致にもなるか

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さまざまなワクチンが開発されている医療先進国でもあるキューバ。首都ハバナの市民全員を対象に、新型コロナワクチンの治験が5月末までに実施される予定だ(写真:リゼットプール/ブルームバーグ)

キューバが医療先進国だという話を聞いたことがある人もいるだろう。カストロ兄弟による1959年のキューバ革命以降、同国は予防医療に力を入れており、その医療水準も中南米ではトップクラスである。コロナ禍においても、医師団を各国に派遣したりと、キューバにとって医療は国の重要資源と言えるものである。

ワクチン開発においても、キューバはラテンアメリカでは他国の追随をゆるさない。B型とC型肝炎ワクチンを始め、髄膜炎菌ワクチン、肺がんワクチンなどがキューバで開発されている。髄膜炎菌ワクチンを世界で最初に開発したのは何を隠そうキューバである。キューバでバイオテクノロジー医療分野が進んでいる基礎はかつてソ連に依存していた時代に作られた。

1種類は第3臨床試験に進んでいる

そのキューバは現在、新型コロナウイルスについても5種類のコロナワクチンを開発している。「ソベラナ01(Soberana)」「ソベラナ02(Soberana)」「マムビサ(Mambisa)」「アブダラ(Abdala)」など5種類である。

報道によると、この中ではソベラナ02が最も進んでおり、現在第3相臨床試験に進んでいる。このワクチンは、ウイルスを構成している一部タンパク質(ヒト細胞に侵入するのに重要な役目を担うスパイクタンパク質)を抗原として使う。それにアジュバンドとして毒素を結合させることによって、体内に注射したときにヒト細胞が免疫機能をより強化された抗体になるという一般的なワクチンである。ということから、保存も摂氏2度から8度の間で十分なので搬送から保存管理といったロジスティクスな面でのメリットは高い。

現在、世界で流通されているアメリカが使用するファイザー、ドイツが使用するモデルナ製のようにDNAからタンパク質を作る過程でできるRNAを身体に投与するのでもなく、また、イギリスのアストラゼネカ製のように毒性の弱いウイルスを利用して、それにタンパク質の遺伝子を組み込んで最終的に体内で免疫システムを作り上げるのでもない。

ソベラナ01は、新型コロナに一度感染し、再度感染する危険がある人を対象にしているという。

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