日本が何度もコロナ対策に失敗する本当の理由 「短期決戦思考が根本原因」というのは間違い

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だから、普通の馬券と異なり人気の馬を組み入れたWIN5はよく売れる。そうなると5レースとも本命で決まった場合などは、5レース全部当てたのに、配当が70倍にしかならないことがある。100円賭けて1万円にもならない。「70倍もついたらすごいじゃないか!」と言っても、上述のようにレースごとに2頭から3頭買っているから、2頭に5レースとも絞っても2の5乗で、64通り買うことになり、100円ずつなら6400円で当たっても7000円。これではほぼ元返しである。3頭買ったら目も当てられない、トリガミ(当たったのにマイナス)にすぐになってしまう。

だから、すごく堅そうな本命馬がいると、そのレースは1頭に絞りたくなるのである。2頭を1頭に絞ると、買い目が半分に減る。3頭を2頭に減らしても、3分の2にしかならない。こう考えると、5つのレースのうち、1頭に絞るレースを1つは作りたいのである。

先日は、それがメインレースの金鯱賞だった。10頭立てという少頭数のうえに、本命のデアリングタクト(牝馬3冠をとった「女傑」)は1.4倍の断然人気だった。結果は彼女がクビ差2着に敗れ、最低人気10番人気のギベオンが勝ったために史上最高の大波乱、5億円超えになったのである。

週末のWIN5はどうする?

では「さあ、この週末はどうなるか?」というと、みないつもと逆に大穴を狙って来るのである。5億円、これはたまらない魅力だ。「ギベオンが勝ったんだから、この馬でもありうる」となって、穴を1頭ひっかける組み合わせが相当売れるだろう。WIN5自体の売り上げも増えるだろう。

いつも買わない人も買うし、いつも買っている人は、穴に傾斜して、いつもよりも買う点数が増えるから売り上げは激増し、JRA(日本中央競馬回)も喜ぶだろう。

そこで、人の裏を行く私は、本命がちがちのWIN5を買う。阪神大賞典は単勝1.2倍程度となってもおかしくないアリストテレス。スプリングステークスはレースで逸走したこともあるいわくつきのランドオブリバティ。ほかの3レースも本命サイドで。ただし、全部1番人気は、そういう同じような発想をする人も多いから、避けて、2つのレースでは中穴も混ぜたものを買いたい。今週末は、5億円を狙わずにあえて10万円程度の配当を狙いたい。

小幡 績 慶応義塾大学大学院教授

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おばた せき / Seki Obata

株主総会やメディアでも積極的に発言する行動派経済学者。専門は行動ファイナンスとコーポレートガバナンス。1992年東京大学経済学部首席卒業、大蔵省(現・財務省)入省、1999年退職。2001~2003年一橋大学経済研究所専任講師。2003年慶應大学大学院経営管理研究学科(慶應義塾大学ビジネススクール)准教授、2023年教授。2001年ハーバード大学経済学博士(Ph.D.)。著書に『アフターバブル』(東洋経済新報社)、『GPIF 世界最大の機関投資家』(同)、『すべての経済はバブルに通じる』(光文社新書)、『ネット株の心理学』(MYCOM新書)、『株式投資 最強のサバイバル理論』(共著、洋泉社)などがある。

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