彼との会話で印象的だったエピソードを聞くと、
「“誰一人、同じ人間なんていないよね”といった話で盛り上がったことがあって。夫婦になっても考え方の相違は絶対出てくるから、その違いを認め合っていきたいねと。その言葉を聞いてすごく安心しましたね」
育ってきた環境が違うからすれ違いはイナメナイとはSMAPのセロリ。丸山さんとなら穏やかな結婚生活が過ごせそうな気がする。カフェで笑顔で話す彼の顔を眺めながら、三浦さんはボンヤリと幸せな生活を想像した。
お互いの価値観を共有したいが…
三浦さんが入会した結婚紹介所のルールでは、マッチングしてから3カ月以内に結婚に進むか否かを決めることになっていた。丸山さんは、すでに三浦さんとの結婚に前向きだったが、ここで三浦さんに期限目前でブレーキが掛かる。
「短期間で結論を出さないといけないというルールの中で、私はできるだけ価値観を共有して、お互いを確認する作業をしておきたかったんです。結婚してからこんなはずじゃなかった!と思うのは嫌だから、可能な限り情報は集めておきたい。学生時代にどれくらい勉強を頑張ったか、家族関係や仕事内容、同僚との付き合いや通勤時間の過ごし方、それに健康についても聞きました。もし、体が弱い方ならそれ相応の覚悟もいるでしょうし、私が軽度のぜんそくを患っていることも伝えています。根掘り葉掘りとはいかないけれど、彼の性格がわかるような質問をちょこちょこ投げかけていましたね」
丸山さんは、三浦さんの質問には答えてくれるし、仕事や家族関係も良好。話を聞く限り特別大きな問題は見当たらなかった。しかし、三浦さんが足踏みしたのはなぜか。
「彼から私に対する質問がほとんどなかったんです。私はもっとお互いのことを情報交換しようと提案すると、そこまでする必要はあるの?と。僕はもう結婚してもいいと思っているし、今まで話したことがすべてだと言われちゃって……。ほんわかしすぎているというか、自然体と言えば自然体なんでしょうけど、結婚に対する重さが違ったのでしょうか」
もっと知りたいと思う彼女と、十分話したと語る彼。ただ、丸山さんも入会金や月会費を払い、お金も時間も費やしている。ある程度は、覚悟を決めて入会したのでは?
「入会金が10万円、月会費は5000円、成婚料は20万円くらいだったと思います。そのお金が高いのか安いのかわかりませんが、彼は実家暮らしでお金には余裕があったのかもしれませんが……」
結局、3カ月の期限では決められず、オプションで2カ月の延長を紹介所に申し出た。
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