まるで宮殿、海外「超豪華列車」の圧倒的贅沢さ スペインや南ア、「通」に人気のクルーズ列車

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「オリエント急行」は、1883年にパリ―コンスタンチノープル(イスタンブール)間で運行を開始したのが始まりだ。往年の客車を使用した列車は1977年に廃止されたが、余剰となった客車はオークションにかけられ、スイスの旅行会社イントラフルーク社が客車、食堂車などを落札。1981年からノスタルジー・イスタンブール・オリエント・エクスプレス(NIOE)として欧州各地を走らせた。1988年に来日したのはこの列車だ。

オーストリアの電気機関車に牽引されて走る「ノスタルジー・イスタンブール・オリエント・エクスプレス(NIOE)」(筆者撮影)

一方、オークションにはアメリカの海運会社も参加して客車を落札。35両あまりを整備復元し、1982年からロンドン―パリ―ミラノ―ヴェネツィア間に「ベニス・シンプロン・オリエント・エクスプレス」(VSOE)として運行を開始した。VSOEはその宣伝力もありたちまち人気の列車になった。その後、コースをスイス―ミラノ経由からオーストリア経由に変更したが、「憧れのオリエント急行」として豪華列車が各国に増えた現在もその地位を保ち続けている。

和服は車内で大うけ

筆者は運転開始早々の1982年、ミラノ経由に乗車。その旅はまるで映画『オリエント急行殺人事件』や『007ロシアより愛を込めて』のシーンを彷彿させ、映画の面影を求めて車内をウロウロした。その後、2002年にはパリ東駅からインスブルック経由の列車に乗った。1回目の乗車ではドレスコードに難儀して一応タキシードでディナーやバータイムをやり過ごしたが、この時は思い切って和服にしたら、これが車内で大うけで、記念写真に引っ張りだこだったのが懐かしい。

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