まるで宮殿、海外「超豪華列車」の圧倒的贅沢さ スペインや南ア、「通」に人気のクルーズ列車

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ブルートレインといえば日本の寝台列車を思い起こすが、「ザ・ブルートレイン」はプレトリアからケープタウンを結ぶ1600kmを27時間前後かけ、1泊2日で結ぶ豪華列車である。この列車は観光などを含むクルージング列車ではなく都市間を走る寝台列車だが、その豪華さで知られている。

ヨハネスブルク近郊を走る「ザ・ブルートレイン」。先頭の機関車も青いが、後ろの客車はより鮮やかな青だ(筆者撮影)

この列車の起源はおよそ100年前にさかのぼる。

第1次・第2次ボーア戦争で勝利したイギリスは1910年に「南アフリカ連邦」を樹立。豊富な資源を求めて多くの外国の富豪がこの地を訪れるようになると、1923年に豪華列車「ユニオン・リミテッド」が運行を開始した。これが始まりだ。

日本のブルトレの名前の由来にも?

第2次世界大戦後は客車もリニューアルされ現在の“ロイヤルブルー”といわれる青色塗装になったところから「ブルートレイン」と呼ばれるようになった。かつて日本の特急寝台客車列車は「ブルートレイン」と呼ばれていたが、愛称の由来は南アの「ザ・ブルートレイン」からといわれている。

アパルトヘイト(人種隔離政策)時代は白人以外は乗車できなかったが、お金持ちの日本人は「名誉白人」として乗車が許されていた。実は筆者もこの時代、何度か南アの政府観光担当者から取材乗車のオファーを受けていたが、アパルトヘイト政策に反対する者として、これらの招聘はすべて断った。

「ザ・ブルートレイン」の食堂車。ランチの用意をしたテーブル(筆者撮影)

1991年にマンデラ大統領によって人種隔離政策が廃止になって以降、ようやく筆者も乗る機会に恵まれた。すでに車掌長や食堂車には黒人スタッフで、笑顔で接してくれたのが印象に残っている。

ギネス認定世界一の豪華列車と言われるだけに車内は「近代的」なホテル様式の設備を誇り、ラグジュアリークラスの個室にはバスタブもあるほか、デラックスルーム(エコノミークラスに相当)の個室にもシャワー室を完備している。食堂車も含め列車内ではドリンク代金は運賃に含まれている。列車は客車15~20両の長編成で、重連の機関車が牽引する。

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