新しい「内閣の顔」、小野広報官への期待と不安 無難なデビュー戦、18日の首相会見が正念場に

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3月3日、記者団の質問に答える小野日子内閣広報官(写真:時事)

コロナ対応や違法接待などで喧騒を極める永田町で、秘かに注目を集めているのが、就任したばかりの小野日子(ひかりこ)内閣広報官の仕事ぶりだ。

総務省の違法接待問題に絡んで辞職を余儀なくされた山田真貴子氏の後任として、小野氏が辞令を受けたのは3月3日のことだった。5日夜には緊急事態宣言再延長を決定した後の首相記者会見で司会役としてデビュー。カメラのフラッシュを浴びた。

3階級特進の「大抜擢」

外務副報道官だった小野氏にとって、事務次官級の内閣広報官就任は「3階級特進の大抜擢」(政府高官)だ。「後任はやはり女性に」(同)という菅義偉首相の強い意向を踏まえ、官邸サイドが人選を進めた。浮かんでは消える候補の中で、内閣副広報官の経験もあり、外務官僚として国内外で長く広報に携わってきた小野氏に白羽の矢が立った。

前任の山田氏が、やや高圧的にもみえる首相会見の司会ぶりで批判されていただけに、5日の会見では小野氏の対応も注目された。小野氏は「1人1問」などの前例を踏襲したものの、物腰の柔らかさもあってか、多くのメディアは「無難なデビュー」と報じた。

ただ、「再質問なし」「時間で打ち切り」とした小野氏に対して、官邸記者クラブには「何も変わっていない」との不満もくすぶる。新たに「内閣の顔」となった小野新広報官の前途には、なお期待と不安が交錯している。

これまでで最も遅い午後9時開始となった5日の会見の冒頭、小野氏は「3月3日付で内閣広報官を拝命致しました。皆様どうぞよろしくお願い申し上げます」とあいさつ。緊張で声が上ずる場面もあったが、丁寧な話しぶりには柔らかさも目立った。

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