3月施行「改正会社法」押さえておくべき点とは

取締役の報酬の決定方針の「透明性」を求めた

改正会社法の重要なポイントを解説(写真:thicha/PIXTA)
2021年3月1日から改正会社法が施行されました。2006年に会社法が施行された後、約6年ぶり2度目の改正になります。今回の会社法改正では、多くの改正点がありますが、その中でも、コーポレート・ガバナンスの観点から、取締役に関するルールがいくつか見直されたことが、最も重要な改正内容です。
そのほか、株主総会に関しても、注目すべき改正が行われました。ビジネスパーソンの皆さんが改正会社法で押さえておくべき、重要なポイントを『手にとるようにわかる会社法入門』著者である弁護士の川井信之氏が解説いたします。

「取締役に関するルール」の改正が最重要ポイント

今回の会社法改正のうち、コーポレート・ガバナンスの観点から、取締役に関するルールが改められたことが、最も重要な改正点です。具体的には、以下の3つの内容がとくに重要です。

1 上場企業等の一定の会社で、社外取締役の設置が義務づけられたこと
2 取締役の報酬に関するルールが見直されたこと
3 「会社補償」や「会社役員賠償責任保険」(D&O保険)のルールが新設されたこと

まず1つ目に、上場企業等の一定の会社で、社外取締役の設置が義務づけられることになりました。具体的には、

①公開会社かつ大会社である監査役会設置会社で、かつ、

②有価証券報告書の提出義務のある会社(上場企業は、この②の要件を満たします)では、社外取締役を最低1名は置くこと

が義務づけられます。

もっとも、上場企業では、上場企業に2015年から適用されている行為規範であるコーポレートガバナンス・コードで、独立社外取締役(社外取締役のうち、独立性の高い一定の要件を満たす者)を最低2名以上選任すべき、とすでに定められていました。このため、上場企業では、今回の改正の前から、1名以上の社外取締役をすでに置いている企業がほとんどでしたので、今回の改正による影響はわずかだと思われます。

この改正は、規制の強化というよりも、上場企業には社外取締役が必ず置かれており、日本の資本市場がガバナンスの観点で信頼できる環境にあることを、内外の投資家にアピールすることが目的と理解すべきでしょう。

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