ルネサスエレクトロニクスの柴田英利社長は、世界の車載向け半導体の需給バランスは、今期(2021年12月期)の下期まで「タイト」な状態が続く可能性があるとの見通しを明らかにした。主力の那珂工場(茨城県ひたちなか市)では最先端製品の生産ラインの稼働率が実質100%超の水準に達しているという。
工場は限界まで回している
柴田社長は、自動車のさまざまな機能の制御に必要なマイコンや自動運転に使われるシステムオンチップ(SoC)などの生産が追い付かず、那珂工場などは「限界まで回している」と説明。少なくとも上期いっぱいは厳しい状況になると見込んでいる。マイコンを生産する川尻工場(熊本市)もフル稼働に近いとしている。
ルネサスなどの半導体メーカーは、新型コロナウイルスの影響による昨年春から初夏にかけての自動車メーカーの減産を受け、車載向け製品の生産を絞った。しかし、その後の中国を中心とした自動車市場の急回復で車載半導体の需給は逼迫(ひっぱく)した状態が継続。自動車メーカーは生産調整を余儀なくされている。
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