ディズニーがビジネスの究極系とされる深い訳 GAFAだけじゃない「コングロマリット化」の威力

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映像業界のトレンドは、私がイメージしていたよりもかなり前倒しで実現しています。新型コロナウイルスの影響です。それまでは一部の人しか使っていなかったビデオ会議ツールなどを、多くの人がリモートワークで使うようになったためです。

外出自粛要請で先の動画サービスなど、自宅で楽しめるコンテンツの需要が高まったことも要因でしょう。人工知能、とくに画像解析技術であるディープラーニングの精度が高まってきた時期でもありました。これらの状況から、2025年ごろに起きると考えられていたトレンドが、いま起きているのです。

ビジネスのやり取りも、Zoomなどのビデオ会議ツールを通して行う機会が増えました。その際、先方とのやり取りの動画を人工知能で解析し、どのような話し方や表情をすれば、相手に好印象を与えることができるのか。営業であれば、成約につながるのか。このような分析を行うことが可能になってきます。

お笑いタレントや歌手、アイドルがオンラインでライブ配信を行う際も同様です。どのような仕草や表情をすれば、視聴者に受けるのか。投げ銭のようなアクションをもらえる際の、自分の表情、仕草はどういったものなのか。動画を解析することで、わかることは大いにあります。

コミュニケーションをより円滑にするサービスが続々と

コミュニケーションを円滑にするサービスも今後のトレンドです。Zoomのバーチャル背景のようなサービスです。

資生堂は、実際は化粧をしていないのに、映像で見るときちんと化粧をしているような表情でビデオ会議が行えるツール、「TeleBeauty(テレビューティー)」を開発していま す。

この流れでいえば、洋服や髪型もセットすることなく、装った状態で相手に映る。極端に言えば、寝起きで頭はボサボサ、顔も洗っていないTシャツ姿といった状態にもかかわらず、画面ではビシッとスーツにネクタイ姿で髪型もばっちりで、肌ツヤも良好。そのような状態に、デフォルメすることが可能です。

装いだけではありません。オンラインでカメラを使ったコミュニケーションでは、相手と話す際にカメラを見たらいいのか、それとも画面上に映っている相手の顔を見たらよいのか、意外と悩む人が多いと思います。

本当は相手の表情を見て話したいけれど、それだと相手に映る自分の表情の目線がズレてしまう。そう、考えるからです。このような目線の補正も、今はまだ提供している企業はありませんが、現在のテクノロジーを活用すれば、可能です。

この手のニーズはまだまだありますから、ビジネスチャンスを見出した企業が、資生堂のように他の業界から壁を乗り越え参入してくることは、大いに考えられます。

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