60歳から年金「繰り上げ受給」損益分岐点は何歳 自分のお金リテラシーの高さがわかる質問5つ

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Q3. 年金を繰り上げ受給して60歳から受け取った場合と、65歳からスタートした場合。
90歳時点でどちらのほうが得でしょう? 65歳の年金額は180万円とします。
❶60歳で受け取ったほうが20万円の得

❷どちらもそれほど変わらない

❸65歳で受け取ると20万円の得

❹65歳で受け取ると700万円以上の得

A. ❹ 65歳で受け取ると700万円以上の得

損益分岐点は76歳

年金の支給は、65歳がスタートだと思っていませんか。実は、60歳から70歳の間なら、いつでも受け取ることができます。65歳未満で受け取ることを繰り上げ受給、66歳以降に受け取ることを繰り下げ受給といいます。

繰り上げ受給を選択した場合、受給額は年に6%下がります。60歳で受け取ると、65歳から受け取る額の30%減額になります(※1)。

早く受け取るので最初は得な気持ちになりますが、損益分岐点は76歳です。76歳以降は、長生きすればするほど損になります。

では、どのくらいの差が出るのでしょう。

65歳の時点で年金受給額は180万円。60歳まで繰り上げ受給をすると、30%引かれて126万円です。

60歳から90歳までの30年では、総額3780万円です(※2)。65歳から90歳までの25年なら、総額は4500万円です(※3)。

両者の差額は、720万円になります。

60歳で年金の繰り上げ受給をすると、90歳の時点では実に720万円も損してしまうわけです。

そのほかにも、繰り上げ受給をすると障害年金を受け取れなくなるデメリットもあります。

ちなみに、繰り下げ受給をした場合は、年8.4%の増額になります。

補足説明)
※1 2022年4月より、年4.8%の減額に変わる。60歳で受け取ると24%の減額になる。それでも、400万円近い差が出る。
※2 126万円×30年=3780万円
※3 180万円×25年=4500万円

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