63歳の親との「実家じまい」で得た意外な気づき コロナ禍で会えない中、近くに呼び寄せる手も

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親が若いうちに実家じまいをするメリットとは?(『両親が元気なうちに”実家じまい”はじめました。』より)

2020年から続くコロナの感染拡大も重なり、誰もがいつも以上に実家を遠く感じている。実家が地方にある場合、顔を合わすのはせいぜい年1度という人も多いことだろう。

今度はいつ両親に会えるだろうか? もし両親が体調を崩したら、何がしてあげられるだろうか? そんな悩みの、1つの解決策として「いっそ”実家じまい”(=実家を売却すること)をして両親を身近に呼び寄せる」という手もある。もちろん金銭面の不安や、都心であればコロナの罹患(りかん)者が多いことなど、懸念点はある。

しかしそもそも、実家がいつかは空き家になるという問題を、日本では潜在的に多くの人が抱えているのだ。総務省が2019年に発表した住宅・土地統計調査によれば国内の住宅総数に占める空き家の割合は過去最高の13.6%。特に地方の空き家問題が深刻だ。

子どもたちが都心で独立し、実家を引き受ける人がいない場合、両親の死後は家を売却せざるをえないことがほとんど。それならば親が健在なうちに実家を処分し、親子で一緒に過ごす時間を長く持とうと考えるのも、合理的ではないだろうか。なぜなら、年に1度両親に会うとして、今両親が65歳だったとしたら、あと20回程度しか会えないかもしれないのだ。

実家を売却し、若いうちに親を東京に呼び寄せる

エッセイ漫画『両親が元気なうちに“実家じまい"はじめました。』(大井 あゆみ(文)、二平瑞樹(漫画))の筆者の大井あゆみさんは、2017年に両親が暮らす故郷大分の一軒家を“実家じまい"した体験を、漫画化した。

大井さんは当時37歳のフリーランスの編集者。両親は当時63歳だった。”実家じまい”と両親の移住は弟も含めて家族みんなで協力した結果だが、以前から準備を進めていたわけでもなく、資金も潤沢ではなかったそうだ。

「上京を決心した当時の両親は、自営業で退職金もなく、貯金も多くありませんでした。大分の郊外にある実家が高値で売れるとも思えませんでしたし……。それでもやってみればなんとかなるもので、私たちが金銭的な援助をするまでもなく、両親の東京暮らしが始まったのです。

それから4年経ち、新型コロナウイルスが流行する不自由な時代になりましたが、それでも”実家じまい”をして両親と近くに暮らすメリットを感じています」(大井さん)

親と離れて暮らす多くの人が無縁ではない実家の問題。体験者である大井さんに、そのメリットや、行動するなかで知った意外な事実、壁となって立ちはだかったことなどを聞いた。

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