年初からの発行ペースは記録的で、リスク資産を求める動きの中で利回りは初めて4%を下回った。ただ、そうした低利回りに加え、平均残存期間が過去1年に顕著に伸びていることからリスクは高くなっており、避難先としての魅力はローンよりは低い。
高利回り債を売り銀行ローンへの配分を増やす
Tロウ・プライスのマルチアセット世界責任者、セバスチャン・ページ氏は電子メールで、「銀行ローンへの配分を増やした。その一部は高利回り債を売った資金を充てた」とし、「高利回り債とローンで同じ利回りが得られるなら、リスク調整後ベースでは金利上昇局面に有利な資産クラス、つまりローンがより魅力的だ」と説明した。
クレジットリスクを高めたくない運用者にとって1つの選択肢は、変動利付債だ。高格付け債の中の退屈な分野で、通常は買い手の層も薄い。
しかし、投資家が固定金利商品でトータルリターンがマイナスになるのを避けようとする中でここ数週間は需要が急増し、発行が活発化している。ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の後継指標金利である担保付翌日物調達金利(SOFR)に連動する初の非金融債も発行された。
バンガードの投資適格級クレジット責任者、アービンド・ナラヤナン氏は「市場の大きなリスクは、それが一時的なものであろうと、より根深いものであろうと、とにかくインフレだ」とし、「金融と財政の両方から、経済成長に有利な大量の刺激策が市場に注ぎ込まれている」と述べた。
原題:Wall Street Is Inflation-Proofing Its Debt-Market Portfolios(抜粋)
著者:Lisa Lee (News)、Paula Seligson
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