生産性も向上「マインドフルネス」注目の背景 Sansan、カルビー…日本でも導入企業が拡大中

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中村氏は、昨年までヤフーの社員で、同社にマインドフルネスを導入した実績の持ち主。2016年から始めたオリジナルのプログラムは、延べ2500人超が受講したという。独立した今は、カルビーなど大手企業を中心に研修を行っている。

中村氏はマインドフルネスを「ストレスに対する捉え方を変えることよって、コンディションが整うメソッド」と説明する。

では、マインドフルネスはビジネスの場でどんな効果をもたらすのか。

名刺管理サービスのSansanは2017年からマインドフルネス研修を導入。同社では瞑想に加えて、「ジャーナリング」という与えられたテーマについて、心の中をひたすら書き出す作業も行う。2人1組になり、書いたものを見せ合うが評価や判断はしない。自分でも認識していない価値観に気付くことが狙いだ。

人事部の我妻小夜子副部長は「カッとなりやすかった上司が、部下と落ち着いて話せるようになったという報告がある」と説明する。我妻副部長自身も、仕事で突発的なことが起こった時に、「自分が動揺しているな」と気が付くことができるようになった。一拍置いて次の行動に移ることで、落ち着いて仕事に取り組めるという。

脳の過剰な活動を抑え、疲れを和らげる

大手企業やスタートアップが次々とマインドフルネスを取り入れるのは、脳科学から見ても有効とされているからだ。「マインドフルネスは、脳の過剰な活動を抑え、疲れを和らげる。続けることで脳の構造に変化が起き、記憶や集中の部位が強化される」。アメリカのイェール大学で脳科学を研究し、ロサンゼルスでクリニックを開業する精神科医、久賀谷亮氏がこう説明する。

脳の過剰な活動とはどういうことだろうか。私たちがぼーっとしていても脳は活動している。無意識の活動に使われているのが「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」という脳の回路だ。自動車のアイドリングをイメージしてほしい。

瞑想はこのDMNの活動を抑えることができる科学的に正しい脳の休ませ方だという。また、理性や感情を司る脳のバランスが良くなり、不安や怒りといったネガティブな感情も抑制できる。久賀谷氏は「コロナ禍で不安を感じる今こそ、マインドフルネスは有効な手段」と話す。

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