ジム・ロジャーズ「20年先はドルより人民元だ」 日本人は今こそ資産を海外に分散させるべき
ロジャーズ氏は、アメリカの政治や先行きに関してかなり悲観的ですが、それでもまだ大量の米ドルを保有していると言います。世界の投資家はまだ米ドルを安全資産として見ており、基軸通貨としてのドルは当分続くと考えているからです。しかし、20年後を考えるなら米ドルよりも人民元を選ぶと言います。
「もし人民元と他通貨と変換が自由になれば、当初は中国から資金を持ち出したい人々が売って、別の通貨に変えるだろう。つまり、人民元安になる。しかしそれは短期的で、それが収まれば、その後は私のように中国に投資をしたい人たちが殺到すると予測する」
一方、香港に関しては、治安面などでの不確定要素がある限りは都市としての魅力をさらに失い、人の流出は避けられないと言います。そのいっぽうで中国本土への投資は衰えず、今後は再び上海の時代が到来し、香港は残念ながらエキサイティングな都市ではなくなる、と断言します。
今こそ資産を海外に分散すべきだ
ただし、ロジャーズ氏は世界のブロック経済化が進む中でも「今こそ資産を海外に分散すべきだ」と言います。矛盾があるように聞こえますが
なぜでしょうか。
「海外に移せば資産防衛になるだけでなく、国内ではお目にかかれないようなさまざまな投資商品に巡りあうことができる。それは大きなチャンスでもあるのだ」
世界の富裕層の多くは、お金の置き場や投資対象などをつねに分散させています。例えば日本にしても、現段階でお金を自由に動かせなくなる日が来る可能性は今のところゼロに近いかもしれません。しかし日本も含め、数十年後にはそうした事態が起こりうるとロジャーズ氏は言います。
もちろん海外投資と言っても、詐欺的な商品もあるために十分に注意が必要です。初心者は、手始めに日本語でも利用できる外資のオンライン証券などでETF(上場投資信託)を売買するなどして練習を始めるのもいいかもしれません。
新型コロナという予想もできないショックで世界中が翻弄されたように、今後も予測不可能な危機は度々起きそうです。自分の資産や家族を守るためには、資産分散などを今から始めたほうがよさそうです。
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