新幹線「東京ー札幌間」、時間短縮に何が必要か 制度の壁はクリア、残る課題は時間の壁だ

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一方、新函館北斗―札幌間については、需要増分を織り込んで貸付料を算定するとの話も聞くが、公式にはまだ何も決まっていない。だが、貸付料はJR各社と協議のうえで「受益の範囲内」とも定められており、需要予測に大きな見込み違いがない限り、過大な負担になることはない。

東京―札幌間の航空需要は絶大なもので、一部が転移するだけで大きな収入増になる。ゆえにJR北海道も、今後の経営の柱としてより積極的に手を挙げられるのであろう。

決して容易ではない320km化

高速化を実現するための具体的な工事内容については、防音壁やトンネル緩衝工のスペック向上といった環境非悪化の対策が主になる。

『鉄道ジャーナル』2021年4月号(2月20日発売)。特集は「凍てつく北の鉄路」(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

ただ、時速260km仕様の既存設備に安易に重量物を積み増すことはできず、基礎構造物にも細かい手当が必要になる場合もある。

まして営業線に対する工事は夜間しかできず、存外に難工事とされる。そのため、JR東日本は工期をおおむね7年と計画する。また、JR北海道は建設中の区間のみ時速320km仕様に変更してもらい、既開業区間の新青森―新函館北斗間は時速260kmを変えない。

北海道新幹線札幌開業は2030年度末の予定である。

鉄道ジャーナル編集部

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車両を中心とする伝統的な鉄道趣味の分野を基本にしながら、鉄道のシステム、輸送の実態、その将来像まで、幅広く目を向ける総合的な鉄道情報誌。創刊は1967年。

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